知事のパワハラ疑惑『内部告発』 死亡した元幹部 職員労組が知事の『辞職』を申し入れ「もはや県民の信頼回復が望めない状況 告発した職員が守れない、守られない組織は痛恨の極み」

パワハラを受けている人の写真

兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発した元県民局長が死亡したことを受け、10日午前、県の職員労働組合は「告発した職員を守ることが出来なかったことは痛恨の極み。県政が停滞し、もはや県民の信頼回復が望めない状況」として知事の辞職を申し入れた。

ことし3月、元西播磨県民局長(60)は、斎藤知事のパワハラ行為などを告発する文書を一部の報道機関などに配布した。

しかし、斎藤知事は当初「業務時間中に『嘘八百』含めて、文書を作って流す行為は公務員失格です」と語り、県は内部調査の結果、告発文は『事実無根』だとして、元県民局長を停職3カ月の懲戒処分とした。

その後、告発文に書かれていたコーヒーメーカーの贈答について幹部(55)が企業から受け取っていたことが判明。

さらに、知事も公務中に20メートル歩かされて職員を厳しく叱責したことなどを会見で認めるなど、告発文の内容が知事の言う「嘘八百」でないことが明らかになり、議会で内容の真偽を確かめるための強い調査権を持つ『百条委員会』が設置された。

自殺とみられる元県民局長は19日の委員会に証人として出頭する予定で、関西テレビが今月3日に取材した際「質問されるのが嫌だ、つらい」という状態ではなく「覚悟している」と話していて、出頭後には報道陣の取材を受けることも検討すると証言に前向きな姿勢を見せていた。

そんな中、7日に元県民局長が姫路市内で死亡しているのが見つかった。

関係者によると、自殺とみられる。

しかし理事からは「都合のよい身勝手な論理だ」という意見も百条委の理事会で交わされた元県民局長の「プライバシー」に関する議論県の関係者は死亡前の様子をこう振り返っている。

【県の関係者】「百条委員会で知事の問題と無関係のプライベートな事柄を公表されることを気にしていた」

8日、元県民局長の死亡が明らかになる直前。

百条委員会ではプライバシーの配慮を求める文書を受けて臨時の理事会を開き、議論が交わされていた。

参加した理事からは、「プライバシーは守られるべき。法的アドバイザーの意見を聞くべきだ」といった意見が上がった一方、「都合のよい身勝手な論理だ」という意見もあがったという。

自身を告発した元県民局長が亡くなったことを受け、斎藤知事は8日「大変心からショック受けている。会見で私の表現は行き過ぎたものだったということで大変反省している」と語っていました。

そして10日午前、兵庫県職員労働組合は「告発をした職員を守ることが出来なかったことは痛恨の極み。

文書問題の発生以来、現場の業務遂行には大きな支障が生じている状況であり、県政が停滞し、もはや県民の信頼回復が望めない状況」として、斎藤知事の辞職を申し入れた。

申し入れ書を受け取った片山安孝副知事は記者団に「(申し入れが)出処進退までも含むものであるならば、政治家として知事がご判断されるべきものではないかと思っています。知事に適切に伝えたいと思っております」「職員団体は、職員を代表する組織であると思っておりますので、そこからの要望ということで重く受け止めたいと思っています」と語った。

なお、片山副知事を巡っては、「百条委員会」の設置が議会に提案される前に、自民党の控室を訪れ、自身の辞職と引き換えに百条委員会の設置を考え直すよう依頼していたことが判明している。

兵庫県職員労働組合の土取節夫 中央執行委員長は「告発した職員が守れない、守られない組織は、痛恨の極み。安心して働ける職場づくりをやってもらいたい。元々組合員から辞職を求める声があった。元県民局長が死亡したことを受け、今日の申し入れにつながった」と語った。

職員労働組合の申し入れを斎藤知事はどう受け止めるのだろうか。

元県民局長の死亡が斎藤知事のパワハラ疑惑の真相解明に与える影響はあるのだろうか。

次の百条委員会は予定通り19日に開催される見込み。

参照元∶Yahoo!ニュース