弁当のおにぎり「ラップで握ったまま」はNG?ブロッコリーにも注意!食中毒対策を

ラップでくるんだおにぎりの写真

ジメジメして暑いこの時期。

細菌性食中毒は6月から夏にかけ急増している。

弁当を作るときの注意点を、専門家に聞いた。

食中毒には「細菌性」「ウイルス性」「動物性自然毒」「寄生虫」などがあるが、梅雨の時期は特に細菌性の食中毒に注意が必要だ。

細菌性の食中毒は、ウエルシュ菌・カンピロバクター・サルモネラ菌などが原因で起こる。

東北大学大学院の小坂健教授は、「梅雨時期は特に細菌性の食中毒が増加。高温・多湿で細菌が増殖する条件が整っている」と話す。

東北大学大学院 小坂健教授:温度が高くなると、増殖がすごく早くなるんです。また水分が大事で、細菌が自由に使える水分が多ければ多いほど増殖しやすいので、この時期に増えてしまう形ですね。

おかずは分けて入れる管理栄養士の渥美まゆ美氏に、弁当を作る際のポイントを聞いた。

◆おかずをそれぞれプラスチックカップなどで分けることで、菌の増殖を防止することができる。

◆渥美まゆ美氏:菌は水分を媒体して増殖しますので、おかず同士の水分がくっつくと菌が爆発的に増えるリスクが上がってしまうんです。それを防ぐためにおかずはそれぞれ小分けにして入れるのが大事です。

◆おにぎりは握った後に蒸気を逃がすラップの中に蒸気が溜まっていると、菌が増殖してしまう可能性がある。

≪おすすめのおにぎりの作り方≫〔1〕握る前に、ラップにご飯を広げて1分ほど粗熱をとる(冷やしすぎると固くなる)

〔2〕ラップでふんわりと握る

〔3〕ラップの左右を開き蒸気を逃がす

〔4〕冷めたら包む

最後にラップで全体を包む前に、蒸気をきちんと逃がすのがポイント。

◆ブロッコリーは水分に注意ブロッコリーは、茹でたり電子レンジで加熱調理をすることが多いため、小房に水分が多くなり雑菌が繁殖しやすいので、炒めて水分を飛ばすのがポイント。

管理栄養士 渥美まゆ美氏:ブロッコリーは彩りで使いたくなるんですけど、小房に水分が溜まって雑菌が繁殖しやすい条件が整ってしまいますので、ピーマンなど表面がつるっとした食材を選ぶのも良いと思います。

恵俊彰:あのサイズでも危険なんですか?

東北大学大学院 小坂健教授:あまり温かいところで放置しておかなければ大丈夫ですし、菌が増えない状態にしておけばそれほど神経質になる必要はないんですが、少しでも菌がついているときにこの時期はすごく増殖しやすい。作るときに手洗いをきちんとするなどを徹底してもらえばいいと思います。

また、渥美氏によると「キュウリ」も水分を多く含むので、「ちくわキュウリ」は、「ちくわチーズ海苔」などに変更するのがベター。

お弁当ではなく、朝ごはんや晩ごはんなどご家庭で楽しんでほしい。

渥美まゆ美氏:トマトは彩りが良いのでヘタをつけて入れる方が多いですが、意外と雑菌の温床になりますので取って下さい。また、半分に切って入れるのは水分が出るのでおすすめしません。小さいお子さんには(誤嚥の危険もあり)丸のままは入れられないので、彩りとして入れるならバランなど他の物を代用してみてください。

「炊き込みご飯」は具材から水分が出て傷みやすくなる。

「ドライカレー」はカレー粉に含まれるクルクミンに殺菌作用があるので、今の時期は「ドライカレー」がおすすめ。

カレー粉はご飯だけでなく、炒め物など他のおかずにも使える。

管理栄養士 渥美まゆ美氏:全て守ってくれるというわけではありませんが、抗菌的な作用が期待できるものは上手に活用すると美味しく食べられると思います。

参照元∶Yahoo!ニュース