「180のベッドがこつ然と無くなった」 地域医療を担った病院の破産に波紋広がる

倒産している企業の写真

佐世保市の「杏林病院」の運営法人が21日に破産手続き開始の決定を受けた。

破産手続きの開始決定を受けたのは、佐世保市早苗町の「杏林病院」を運営する医療法人「篤信会」。

負債額は約11億7千万円で、民間の信用調査会社、帝国データバンクによると外来・入院患者の減少などで今年3月、債務超過状態に陥り、資金繰りが悪くなったという。

病院には医師など約140人が勤めているほか、約90人の入院患者も抱えていて、これから転院などを行う予定。

通院する人「みなさん、口々に待合室でこれからどうなるんだろうと話していた、担当の先生にきょうも相談して、次の病院を話し合って決めてきた、地域の者としてはすごく助かった病院で心強い病院だった」

長年、地域医療を支えた病院は夜間や休日に患者を受け入れる輪番病院の役割も担っていた。

佐世保市 井上文夫 保健所長「180のベッドが、こつ然としてなくなった、地域にとってはかなり大きな影響」救急の受け入れ態勢の構築を行っている市は「ゼロから態勢を練り直さなければ」と頭を抱えている。

井上文夫 保健所長「大切なのは入院患者を速やかに他の医療機関に転院させること、行政としてもやれることは何でもやろうと思っている」

佐世保市医師会は 現在、スムーズに入院患者の転院が行えるよう、各病院の受け入れ態勢などを取りまとめている。

医療機関の破産は2023年度から急増している。

帝国データバンクによると、全国で2023年度に破産した医療機関は55件で、前の年度より17件増えました。県内でも2022年に長崎市内の病院が破産している。

帝国データバンクは、患者が最新鋭の医療サービスを受けるため、県外の医療機関を選んでいるのではと分析している。

参照元∶Yahoo!ニュース