「川で冷やしたスイカ」に潜むリスク レジャーの場面でやりがちなこと 栄養士が促す「注意」とは

夏を代表する食べ物といえば、スイカ。
丸ごと1玉を買ってきたとき、食べる果肉は分厚い皮に包まれているため、皮を洗う必要はないように感じるかもしれない。
しかし実は、思わぬリスクが潜んでいることも。
同様に夏のレジャーで、川にスイカを浮かべて冷やすことがあるが、こちらも注意が必要だそうだ。
スイカの皮、洗う?洗わない?
栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺った。
シャリシャリとした食感に、すっきりとした甘みが特徴のスイカ。
90%以上が水分のため、暑い季節の身体を冷やしてくれる。
すぐに食べられるように果肉だけカット済みのスイカも販売されているが、丸ごと1玉を購入するほうがお得だ。
スイカを切るとき、食べる果肉は厚い皮に覆われているため、皮の表面を意識することはあまりないかもしれない。
ただし、カットする際は、包丁が皮から果肉の順に触れるので、皮の表面に汚れや細菌が付着していると、包丁を介して食べる果肉にもついてしまう。
また、丸ごとのスイカをすべて食べずに、切った一部を冷蔵庫で保存する場合、皮に汚れがついたままだと衛生面が心配だ。
そのため丸ごとのスイカは、切る前に皮の表面を流水で洗っておくことをおすすめする。
とくに汚れなどが気になる場合は、野菜専用の洗剤などを活用するとより安心だ。
半分や1/4にカットされたスイカの場合は、流水で洗うと果肉も濡れてしまいおいしさが損なわれるので、清潔なふきんやペーパーなどを濡らして表面をきれいに拭き、食べやすい大きさにカットすると良いだろう。
避暑地でのレジャーで、川でスイカ1玉を冷やして切り分けて食べるなど、自然の醍醐味を満喫したい方もいるかもしれない。
しかし、一見してきれいな清流の水でも、自然の川には細菌やウイルス、寄生虫が生息していることがあるため、注意が必要だ。
体調不良や感染症へのリスクが潜んでいる。
スイカは皮が厚いため、皮ごと食べる果物とは異なり、安全だと思われがちだが、川に浸すことで、スイカの表面に細菌やウイルスなどが付着する可能性がある。
カットする際に、細菌やウイルスが手や包丁を介して果肉など食べる部分へ移ることも考えられるだろう。
スイカを川で冷やしたい場合は、直接ではなく密封できる袋を用いて、冷やした後に表面をしっかりと洗浄し、切り分ける際には小まめに包丁を洗うなど、衛生面に配慮することが重要だ。
できれば、川ではなく、クーラーボックスを使うか、氷や冷却剤で冷やす方法が望ましいといえる。
スイカには、シトルリンというアミノ酸が含まれている。
血流を良くして冷えやむくみを改善するほか、紫外線から肌を守る効果が期待されている健康成分だ。
皮の白い部分には果肉の約2倍ものシトルリンがある。
スイカはきれいに洗ったら、皮を捨てずにぜひ食べてみてほしい。
皮と果肉の間に包丁を入れて、赤いスイカの果肉部分を少し残してカットする。
外側の硬い緑の部分を、同じように包丁を入れて取り除いたあと、白い部分を適度な大きさにカットしよう。
好みのドレッシングをかけて食べても良いですし、塩昆布とあえてゴマ油をかけても美味。
シャキシャキとした食感が楽しめる。
バナナやリンゴなどの果物、はちみつと一緒にミキサーにかけて、スムージーにしてもおいしい。
夏に涼と元気をくれるスイカ。
衛生面に配慮しつつ、存分に味わいたい。
参照元:Yahoo!ニュース