「キッチンカー」東京では2年で激減 コロナ禍後に廃業した人たちの事情

キッチンカーの写真

キッチンカーは2021年、コロナ禍のテイクアウト需要の追い風もあって東京都内だけで3794台を数えた。

アフターコロナの今は外食に客が戻り、物価高による材料費高騰で、キッチンカーを取り巻く環境は変化してきている。

その実情を取材した。

日本フードサービス協会が会員社を調査した2023年1月~12月の「外食産業市場動向調査」によると、飲食業全体の売上高は前年比114.1%、客数106.3%、客単価は107.3%となった。

ただし同協会の分析では、「コロナの『5類』以降により、外食需要は回復傾向も、物価高など厳しい経営環境」とある。

一方、キッチンカーの台数はコロナ禍の時期と後で変化はあるか。

東京都保険局の2023年版「食品衛生関係事業報告」における、都で営業許可を受けている「飲食店営業の自動車数」を調べた。

2021年度が3794台だったキッチンカーは、22年度が3377台、23年度が2758台。直近の数字は2年前と比べて3割近く減っている計算だ。

日本キッチンカー協会の広報は、取材に対してこう語る。

「アフターコロナでは物価上昇や燃料費高騰などもあって淘汰がすすみ、お店とキッチンカーの両方持っているような調理のプロが生き残っている」

コロナ禍を受けて、調理に携わってこなかった人がキッチンカーにチャレンジしていたが、昨今の物価上昇で廃業する人は多いとの話だ。

理由は、ランチでのキッチンカーの需要の減少。

広報担当者によると、以前は企業と契約して敷地内で営業でき、ビジネスパーソンを取り込んで売り上げを立てることができた。

だが、今日ではコロナ禍で打撃を受けたレストランなどの外食や、企業の社食が復活して、ビジネス客を中心にキッチンカーを利用する人が減ってきているのだという。

参照元∶Yahoo!ニュース