周りが驚く”思い出し怒り”―突然、怒り狂ったようになる人の背景にあるものとは?

飲食店の店員に怒り狂ったようにクレームしている人を見かけたことはないだろうか?
周りから見れば些細なミスなのに、部下や取引先を違和感のある温度で執拗に怒り続ける人もいる。
これらは、過去の不快な出来事(今回と似たような間違いをされた)を、そのときと同じレベルの怒りで思い出し、その感情に支配される状態で〝思い出し怒り〟と呼ばれている。
思い出し怒りをぶつけられた側は、違和感や恐怖を感じ、怒りをぶつけた側は、場合によってはハラスメント行為になる。
思い出し怒りは、過去の出来事と類似したシチュエーション(例、あのときも部下の資料にミスがあった)がトリガーになることもあれば、そのような出来事がないのに怒りが突然湧いてくることもある。
怒りをぶつけられた人はもちろん、周囲にいた人は「そんなに怒ること?」と驚くことになる。
思い出し怒りは、「タイムスリップ現象」とも言われている。
厄介なケースでは、不快な記憶が脳内で勝手に何度も再生されて強烈な記憶となったり、捉え方が歪んでしまったりする。
たとえば、部下のミスで自分が謝罪する羽目になった記憶が何度も脳内で再生されているうちに、「部下は自分を困らせようとわざとミスをしている」という歪んだ捉え方になってしまったなどだ。
本人のなかでは正当なロジックがあったとしても、部下の側からすれば理不尽に怒りをぶつけられたということになる。
どのような怒りもストレスが溜まっているときに出やすいため、〝思い出し怒り〟の自覚がある場合、アンガーマネジメントやセルフケアを心がけよう。
また、ハラスメントの知識を深めることが重要だ。
企業側としても加害者と被害者の双方に通ずる研修やカウンセリングをしていくと良いだろう。
参照元:Yahoo!ニュース