<ファクトチェック>参院選のファクトチェック、4割が外国人関連 発信元はSNS最多

今回の参院選では偽・誤情報を対象にした「ファクトチェック」が注目されている。
新聞社やテレビ局などが配信した71本のファクトチェック記事のうち、約4割の27本が外国人関連の情報を取り上げた。
ファクトチェックの対象となった情報の発信元はSNS(交流サイト)が30と最も多く、次に参政党の19だった。
国内の取り組みを支援するNPO「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)がホームページに集約したファクトチェック記事のうち、参院選が公示された3日から16日までに新聞社、テレビ局、通信社が配信した記事を毎日新聞が集計した。
その結果、外国人関連の記事は27本に上った。
これらの情報の発信元は特定して書かれていない民放の記事1本を除き、SNSと参政党だった。
NHKはSNSで拡散された「不法滞在者が増え続けている」という主張について、20年前の4分の1に減少し、ここ数年は横ばいだとする法務省のデータを示して誤りだと指摘。
毎日新聞は参政党の神谷宗幣代表が新型コロナウイルスを巡り、「多国籍企業がパンデミック(感染症の世界的流行)を引き起こしたということもうわさされている」と発言したことについて、世界保健機関(WHO)の報告書などを検証して根拠不明だと結論づけた。
この他、外国人の生活保護受給や健康保険料未納、留学生への優遇などを巡るファクトチェック記事が目立った。
外国人関連の他に目立ったのは、「不正選挙」の疑いを指摘する情報の10本だった。
「投票用紙に鉛筆で記入すると書き換えられる」というSNS上のデマなどが対象になった。
「日本の財政状況はギリシャよりよろしくない」という石破茂首相の発言など、財政関連が9本。
「(選択的夫婦別姓の導入が)治安を悪くする」という神谷氏の発言など夫婦別姓関連が2本だった。
発信元は、参政党以外の政党では石破氏の発言を含む自民党が7本。
日本維新の会とNHK党が各2本、立憲民主党は1本だった。
FIJによると、2024年の兵庫県知事選では選挙期間中のファクトチェック記事は非営利組織「日本ファクトチェックセンター」が検証した2本のみ。
FIJの瀬川至朗理事長は「ファクトチェックは偽・誤情報が出やすい選挙においてこそやるべきで、影響力のあるマスメディアが本格的に取り組み始めたのは評価できる」と語った。
参照元:Yahoo!ニュース