脱北者含む異色Ｋ─ＰＯＰグループがデビュー、日本人メンバーも

18日に世界デビューを果たしたＫ─ＰＯＰグループ「1VERSE（ユニバース）」は、男性メンバー5人のうち2人が北朝鮮からの脱北者という異色のグループだ。

メンバーは全員20代で、北朝鮮出身のヒョクとソクのほか、日本出身のアイト、米国出身のネイサンとケニーで構成。

18日午前0時にデビューシングル「Shattered」など3曲を収録したＥＰ「The 1st Verse」のショーケースをストリーミング配信した。

25歳のヒョクは北朝鮮北東部の咸鏡北道出身で、2013年に韓国に渡った。

北朝鮮では9歳で働き始めたが、食料を得るために腐った米を食べたり、窃盗に手を染めたりすることもあったという。

ソウルのスタジオでロイターの取材に応じ、「盗みで捕まった後、血が出るまで殴られた。本当に空腹で、本能的に生き残ることしか考えていなかった」と語った。

新たな生活には満足していると述べる一方、北朝鮮では「空腹で困憊（こんぱい）していたが、好きな人たちに囲まれて幸せだった」ため、故郷を離れるのはつらかったと振り返った。

デビュー曲の「Shattered」については、北朝鮮の父親の死を知らされたときの気持ちを凝縮したとも語った。

同じく25歳のソクは5年前に父親と祖母と共に脱北、中国に近い国境の町に住み、友人の携帯メディアプレーヤーを通じてＰＳＹの「江南スタイル」などＫ─ＰＯＰに触れていたという。

所属レーベルのプロデューサー兼最高経営責任者（ＣＥＯ）であるミシェル・チョー氏は、絵に描いたように完璧と思われがちなこの業界で本物のグループを作りたかったとし、「困難な背景を持つ人が特にＫ─ＰＯＰのような夢を追いかける物語を愛さない人はいない」と語った。

参照元：REUTERS（ロイター）