踏切内の40代女性を抱きかかえ間一髪で救出 男子高校生に感謝状 千葉・八千代署

千葉県警本部の外観を撮影した写真

踏切内で立ち尽くしていた千葉県八千代市の40代女性を救助したとして、八千代署は18日、県立八千代東高2年、原田琉杜(りゅうと)さんに感謝状を贈った。

「困った人がいれば、なんとか助けてあげたい」。

日頃の心がけが、とっさの行動につながった形だ。

同署などによると、原田さんはバドミントン部の活動を終えて下校中だった6月9日午後4時40分ごろ、京成大和田駅近くの踏切を自転車で通りかかった際、線路内に立ち止まっている女性を見つけた。

電車の接近を知らせる警報機が鳴り響き、遮断機は下りていた。

「危ないよ!」。

原田さんは女性に叫んだが、反応がなく、すぐに緊急停止ボタンを押し、踏切内に入って女性に駆け寄った。

「嫌だ」と抵抗を受けながらも「ダメだ」と声を荒らげ、無理やり抱きかかえて線路外に出た。

間一髪の救出だった。

つらそうな表情の女性。

原田さんは「何があったのかわからないけど、苦しいのはわかる。あなたの命を大切にしてほしい」と語りかけ、別の目撃者と一緒に交番まで連れて行った。

道中、涙を流しながら「ごめんなさい」とこぼす女性に、原田さんは「謝らなくて良い。悪いことをしたわけじゃない」と言葉をかけた。

女性は回復に向かっているという。

全校生徒の前で、同署の山田幹司署長から感謝状を受け取った原田さんは「怖かったけど、非常ボタンを押しても電車が止まるという確証が持てなかった。もし目の前でひかれたら、自分にとって死ぬよりもきついことだと思い、行くしかないと思った」と当時を振り返りつつ、「自分の行動で誰かがプラスな方向に向かっているのはうれしい」と笑顔を見せた。

将来は、警察官や消防士など人を助ける仕事に就きたいという。

山田署長は「爪を磨き上げ、どんな場面でも生かすことができる原田さんは能ある鷹だ。失敗を恐れない自信と、正しい知識を身に着け、躊躇なく行動した」とたたえた。

贈呈式を見守った父、辰郎さん(39)は「話を聞いたときは心配で不安もあったが、社会に貢献してくれて、誇りに思う」と話した。

参照元:Yahoo!ニュース