公立高校受験の併願可能を検討へ チャンスは増えるけど格差が拡がる可能性も

高校受験をイメージした写真

現在、公立高校は一校しか受験ができない。

それを複数の公立高校に出願できる「併願制」にすることを令和9年度予定の高校の学習指導要領改定に合わせ導入することを政府が検討を始めていると報道された。

一方で文部科学省は「偏差値による公立校の序列化を助長しかねない」とも危惧するとも報じられている。

この文科省の意見のように、併願制は一見、チャンスが増え、受験生にメリットが大きい制度に見えるが、慎重論も出てきている。

高校無償化の影響で2025年度の都立高校志願者は3000人ほど減少した。

先に無償化した大阪府では128校中、65校が定員割れ、島根県にいたっては県下トップ難関高校、松江北高校が定員割れという事態になっている。

この公立離れを阻止するために公立高校の併願制が議論されてきた。

受験生にとってはチャンスが増える一方で、様々な問題点も指摘される。

例えば、都立受験の場合、一校しか受けられないため、校風や通学の利便性で選ぶ傾向もある。

「しっかり勉強をさせる日比谷か自由な西か」で自分に合う方を受験することも多い。

しかし、併願ができるようになると学力上位層は塾や周囲の薦めで「日比谷と西の併願」と偏差値順で受験校の併願を決めていく傾向が出てくる。

結果、偏差値による序列がより強くなる可能性もある。

また、併願制が実施されれば、学力上位や中位層はチャンスが増える一方で、学力下位層は志望の公立高校へ入学できなくなる可能性が出てくる。

公立の普通科には入れないから、工業科や商業科に進学というケースも増える可能性があり、学力下位層かつ経済的に公立にしか進学できない層がより選択を狭められる可能性も出てくる。

参照元:Yahoo!ニュース