日米豪印、「都市鉱山」活用など技術支援で連携へ レアアース供給網で中国依存を低減

日本とアメリカアメリカの国旗を撮影した写真

日本、米国、オーストラリア、インドの4か国は、レアアース(希土類)など重要鉱物の調達の安定化に向け、サプライチェーン(供給網)の構築で協力を進める方針を固めた。

1日にワシントンで開かれた4か国の枠組み「Quad(クアッド)」外相会談後に発表する共同声明に盛り込む方向で、世界有数の生産国である中国への輸入依存度を下げる狙いがある。

複数の日本政府関係者が明らかにした。

具体的な協力策としては、東南アジアの国などを念頭に第三国の「都市鉱山」を活用する案が上がっている。

東南アジアの新興国や途上国は、廃棄されたパソコンやスマートフォンなどの電子機器を多数抱える一方、廃品から重要鉱物を取り出して再利用する技術を持ち合わせていないケースが多い。

日米豪印が協力してこうした国々に技術支援を行い、調達の安定化につなげる。

レアアースは電気自動車(EV)やスマホなどに用いられる高性能磁石の生産や、最先端兵器の開発などに不可欠だ。

中国は世界生産の約7割を握り、輸出規制を外国への圧力に利用する動きを強めている。

今年4月には米国の「相互関税」への対抗措置として、7種類のレアアースの対米輸出を規制。

2010年には沖縄県・尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件を受け、対日輸出規制に踏み切った。

日米豪印の各国とも中国への輸入依存が外交・安全保障上の足かせになることを懸念しており、新たな供給網の構築で協力する方向となった。

先進7か国(G7)も6月にカナダで開かれた首脳会議で重要鉱物の供給網強化で合意しており、日米は豪印とも協力して重層的に取り組みを進める。

クアッド外相会談には岩屋外相、ルビオ米国務長官、ペニー・ウォン豪外相、スブラマニヤム・ジャイシャンカル印外相が出席した。

ルビオ氏は冒頭、「重要鉱物の世界的な供給網の多様化に焦点を当ててきた」と述べ、4か国の協力に前向きな姿勢を示した。

4氏はインド太平洋地域での多国間協力の強化や海洋・経済安保での協力の具体策も協議したとみられる。

参照元:Yahoo!ニュース