おめでたい「人生イベント」なのに心が疲れてしまう なぜ?

どのような人、職場環境であっても「ストレス」はある。
厚生労働省の調査では、自分の仕事や職業生活での強い不安、悩み、ストレスがある労働者の割合は約82%だった。
ストレスという言葉は誰でも知っているようで実は、「ストレスの定義」については、曖昧なままイメージしている人が多くいる。
うつ病など心の病は、ストレスと深く関連していることは言うまでもないが、ストレスとは、具体的にどのようなことだろうか。
職場で有用な心理学である「産業心理学」におけるストレスの定義を共有したいと思う。
産業心理学ではストレスの要因となるものを”ストレッサー”と呼んでいる。
人間関係や仕事量、ノルマ、職場の温度など、すべてストレッサーになりえる。
これらのストレッサーは、さまざまなストレス反応を引き起こす。
ストレス反応は、ストレスを受けた人の身体(胃痛など)や心(抑うつ状態など)、行動(欠勤が続くなど)に出てくる。
たとえば、「最近、イライラする(心のストレス反応)」と感じて、自身のストレスに気づき、その原因を考えてみると、ストレッサー(残業が多いなど)に思い至る。
ストレスというと、ネガティブな変化から受ける刺激をイメージすると思うが、実はポジティブな変化で受ける刺激も、ストレスに分類されている。
アメリカの精神科医ホームズらが作成した「ライフイベント・ストレス表」というストレッサーのリストには、結婚や就職などおめでたい出来事も入っている。
おめでたくても、環境が大きく変化してしまうと、変化に対応するため大量のエネルギー消費をすることになる。
この表は、1年間のライフイベントで作成されている。
この1年を振り返り、良いことが続いているという人でも、少し休養をとってみてはいかがだろうか。
参照元:Yahoo!ニュース