米最高裁、未成年トランスジェンダーの性適合治療禁止は合憲と判断

米連邦最高裁判所は18日、心と体の性が異なる未成年のトランスジェンダーに性適合治療を受けることを禁止した南部テネシー州の法律を妥当とした下級審判決を支持し、合憲とする見解を示した。
今後、保守的な州でトランスジェンダーの権利を制限する動きが加速する可能性もある。
今回の見解について最高裁判事9人のうち保守派6人が賛成、リベラル派3人が反対した。
テネシー州の法律は、性別の違和感を経験している18歳未満の未成年者に対する思春期阻害剤やホルモンなどの医療処置を禁止したもので、人権団体などの原告側は、合衆国憲法修正第14条で規定された法の平等な保護に違反すると主張していた。
しかし最高裁のロバーツ長官は多数派の意見として「テネシー州は、医療専門家の間でこうした治療のリスクと効用に関する議論がまだ続いていると結論付けており、(法律の)禁止措置はそのような不確実性に直接対応している」と記した。
これに対して原告団弁護士の1人は最高裁の見解を「トランスジェンダーや家族、憲法を大切にする全ての人にとって壊滅的な損失」だと非難した。
一方ボンディ司法長官はソーシャルメディアへの投稿で最高裁の見解を賞賛するとともに、他の州に「テネシーに従ってわれわれの子どもたちを守るために同様の法律を施行」するよう促した。
参照元:REUTERS(ロイター)