ロ・中国の関係悪化目指す米の取り組みでEUが被害 伊中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)の理事会メンバーであるイタリア中央銀行のパネッタ総裁は18日、米国の欧州連合(EU)に対する「敵対的な」通商スタンスは、ロシアを国際的な首脳会議に出席させることや中国とロシアの関係を弱めることを目指す米国の取り組みの結果であるとの見解を示した
ミラノで開かれた学生の会合で語った。
パネッタ氏は、EUはロシアのウクライナ侵攻を踏まえてロシアに反対する断固とした姿勢を取ることに対して代償を支払っていると考えていると話した。
同氏は、トランプ米政権は中国の国際的影響力を制限するため、欧州との歴史的な関係を犠牲にする用意があると主張した。
西側の対ロシア制裁により、ロシアは近年、中国との関係を強化している。
パネッタ氏は18日の会合で、米国はロシアと中国の同盟があまりにも大きな脅威になるとみていると指摘。
「中国の工業、技術、金融力と競争することは、仮にそれがロシアの天然資源と組み合わされれば、極めて難しくなる」と述べた。
その上で「私は、トランプ大統領の目標がロシアに国際的な正当性を再び与えることだと考えている」と語り、それがトランプ氏の計画であれば、ロシアのウクライナ侵攻に強く反対しているEUは、米国の敵ということになると説明した。
参照元:REUTERS(ロイター)