近視の進行抑制「目薬」承認 保険適用外で月約4000円・18歳頃まで必要“子供の近視”増加防ぐ一手に

子供の近視が今増えている。
そんな中、国は初めてある治療薬を承認した。
近視の進行を抑制する目薬とは一体?
治療の最前線に迫った。
神戸市に住む小学4年の陽聖ちゃん・9歳。
毎日欠かさずやっているのがタブレット端末での学習だ。
しかし勉強を始めてからわずか5分…
【陽聖ちゃんの母・聖子さん】「顔あげて。もうちょっと顔離して」
集中するあまりタブレットに目を近づけてしまう。
陽聖ちゃんの視力は裸眼で0.5。病院から”近視”と言われ小学1年からメガネをかけている。
【陽聖ちゃんの母・聖子さん】「気づいたらもう本当にこんな近くになってるんでよく声かけてるんですけど、見えにくくなったとかっていうのでやっぱり進んでるんかなと」
勉強していても注意される令和時代ならではの子供たち…
文部科学省によると昨年度、裸眼の視力が1.0未満の小学生の割合はおよそ37%。
1979年の統計開始以来、小中高生のいずれも過去最多に。
その多くが「近視」といわれている。
そんなに増えているのか?
大阪市内の子供のメガネ専門店を覗いてみると…多くの親子がいた。
【小学2年生】「これがいい」
【母親】「学校検診でめっちゃひっかかっちゃって」
【店員】「去年は引っかかってない?」
【母親】「去年はAやったんです」
【小学4年生】(Q黒板が見えない?)「ぼやけて見える」
【母親】「1年も経ってないんですけどレンズの買い替えに」
【小学3年生の母親】「本を暗いとこで読んだりゲームはしてたな。(Qルールは?)ないね、明るいとこで読みやという感じなんですけど」
10年前にオープンした当時に比べ、売り上げは2倍以上となっているそうだ。
【アイフィーあいがん・寺地洋子店長】「近視の方が前は3年生4年生だったのが、1年生になってきたりとか年齢が少し下がってきているなと」
遠くが見えにくくなる「近視」。
一体どのようにおきるのだろうか。
日本近視学会などによると通常、眼球は丸い形をしていてモノを見るとき網膜の上で焦点を合わせる。
しかし、モノを近くで見すぎることにより焦点が奥にいき、眼球が伸びてしまう。
その結果、焦点が網膜の手前にできることになり、遠くを見るとぼやけてしまう。
伸びた眼球は戻らないため近視は治らないとされている。
スマホやタブレットゲームにパソコン。
令和のいま、さまざまな場面で目を近づけて過ごす時間が増えている子供たち。
日本眼科学会の理事は近視が進行すれば、重い視力障害につながる危険性があると指摘する。
【京都大学辻川教授】「近視になると緑内障、それから網膜剥離のリスクが高くなることが知られています。最近は以前に比べて近視の若年化が進んでいるから、そういう大きな視力障害の原因となる可能性は高い」
辻川教授によると近視の進行は目の成長が止まる18歳ごろまで。
つまりより早い段階で進行を抑えることがポイントとなってくる。
こうした中、国内初!近視の進行を抑制するという「目薬」が!
【伊丹中央眼科・二宮さゆり院長】「世の中の需要はすごく大きくて。わが子に処方して欲しいっていう人がもう本当に遠方から来られたりするので」
一体、どのような効果があるのか?
緊急取材した。
兵庫県伊丹市にある眼科。近視の治療を求めて週末には多くの子供たちが訪れる。
【視力検査を受ける子供】「左、わかんない」
こちらの眼科がいち早く導入した近視の新たな治療法が、国内で初めて近視を抑制する治療薬として承認された”リジュセア”。
近視の進行をおよそ30%遅らせる効果があるとされている。
大阪の製薬会社が開発した目薬で、ことし4月に発売した。
【伊丹中央眼科二宮さゆり院長】「リジュセアっていう薬が最近出たので・・・」
この眼科ではなぜ導入を決めたのだろうか。
【伊丹中央眼科二宮さゆり院長】「コンタクトはある程度大きくならないと目に入れさせてくれないので、点眼なら小さい子供でもできますし。近視化し始めた、メガネがまだなくても見える段階の子供に使えるようになったので、すごく良いと思います」
ただ気になるのはその価格。保険適用外の自由診療のため月4000円ほど。
目の成長が止まるとされる18歳まで使用し続ける必要がある。
【伊丹中央眼科二宮さゆり院長】「最近出たリジュセアという薬を足して使ってもらう…今の矯正用コンタクトレンズと合わせると(進行が)半減くらいすれば良いかなと思うんですけど。希望される時は言ってください」
【小学生2人の母】「費用はどれくらい?」
【伊丹中央眼科二宮さゆり院長】「費用は1カ月に4000円くらいかかるんですよ」
【小学生2人の母】「今できょうだい2人のコンタクト代が結構かかるので…生活習慣を見直して、次の診察でどんな感じか診てもらってから考えようかな。月4000円となると増えるので…」
一方で、実際にこの目薬を使い始めた人もいる。
【点眼をする動画】「まず箱から取り出します」
つい10日前からリジュセアを使い始めた中学1年の女の子。
父親になぜこの治療を選択したのか聞いた。
【娘がリジュセアを利用】「どうしても年を取っていくと近視は進んでいくので、それを少しでも抑制できる効果があるものを若いうちから使えるんだったら使おうと思って、使わせるようにしています」
【リジュセアを利用する中学1年生】「不安はあまりなかったです」
増加する子供の近視。
歯止めをかける一手となるのだろうか。
近視の子供たちが増えている中、国内で初めて、子供の近視の進行を抑制する薬として承認されたのが、「リジュセア」点眼液だ。
毎日就寝前に点眼することで、近視の原因となる“眼球の伸び”を抑える効果があるとされている。
去年、国が承認した薬ですが、保険適用外で、薬代として月額約4000円、1年で約5万円かかることになる。
さらに18歳ごろまで継続が必要という。
近視の進行を約30パーセント遅らせる効果があるとされている。
子供の近視を抑制できる薬を利用したいと思う親はいるだろうが、一方で費用を考えるとちゅうちょすることも考えられる。
利用しやすい環境を整えていくことも考えていく必要がありそうだ。
参照元:Yahoo!ニュース