皇位継承、自・立埋まらぬ溝 参院選後も進展不透明

皇族数の確保策を巡り、自民、立憲民主両党は今国会での取りまとめを断念した。
衆院正副議長を交えて妥協点を探ったが、両党間の溝は埋まらなかった。
参院選後の決着を目指すが、感情的なしこりも残り、関係者からは年内に結論を得られるかどうか不透明との見方が出ている。
与野党は昨年5月から協議を開始。
(1)女性皇族が結婚後も皇室に残る(2)旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える―の2案を軸に検討した。
(1)は各党がおおむね賛同したが、(2)は自民が賛成、立民は慎重姿勢で、議論は平行線をたどった。
今年3月からは自民の麻生太郎最高顧問、立民の野田佳彦代表、衆院の額賀福志郎、玄葉光一郎正副議長による4者協議でこう着状態の打開を目指した。
麻生氏は4月、女性皇族が旧11宮家出身者と結婚した場合のみ配偶者と子を皇族にする案を示した。
一方、野田氏は配偶者と子の身分を皇室会議で決める案を提示。
しかし、麻生氏は自民保守系の反発を踏まえ、野田氏の提案を拒否した。
複数の関係者によると、6月22日の国会会期末が迫る中、野田氏は皇室会議案にこだわっていたものの、女性皇族の配偶者と子に皇族の身分を付与するかどうかは棚上げし、女性皇族の身分保持についてまとめることで麻生氏と折り合ったという。
だが、ここで食い違いが生じる。
麻生氏は(2)の養子案についても合意したと受け止めたが、野田氏は先送りと認識していた。
衆院事務局が作成した合意案には養子案が含まれていなかったため、麻生氏は態度を硬化。
5月末、額賀氏が玄葉氏に合意はできないと通告した。
麻生氏は5日の自民党麻生派例会で「養子案を棚に上げるのは不自然で、まかりならない」と批判。
野田氏は6日の記者会見で、女性皇族の身分保持のみ先行してまとめる合意があったとして「ちゃぶ台返し」だとやり返した。
関係者からは「秋の臨時国会でまとめたい」との声も出ている。
しかし、自民側は「野田氏は信用ならない」と断じ、立民サイドは「麻生氏を交渉から外すべきだ」と不信感を募らせている。
4者協議の経緯を知るあるベテランは「もう麻生・野田ラインで交渉は難しい」との見方を示した。
参照元:Yahoo!ニュース