長嶋さん記念碑に一輪の花 インスタで反響 最初に手向けた63歳立大院生をスポニチ本紙が発見

巨人の長嶋茂雄終身名誉監督が亡くなった3日、母校の立教大池袋キャンパス(東京都豊島区)にある記念碑に一輪の花が手向けられた。
涙雨のように降りしきる雨に濡れた花。
同大が公式インスタグラムに写真を掲載すると、次々と追悼メッセージが書き込まれるなど反響が大きく、献花台の設置へとつながった。
大学側も把握していなかった最初の一輪を供えた人物を、スポニチ本紙が発見した。
キャンパス中央を東西に横切る「鈴懸の径(すずかけのみち)」。
その中央に昨年5月に作られた長嶋さんの顕彰モニュメントには、偉大な先輩を追悼する供花が並んでいた。[
訃報が伝わった冷たい雨の日から数日。
記念で植樹されたスズカケに日の光が差し込む中、モニュメントに手を合わせる男性がいた。
「来るたびに花が増えている。ミスターはやはり、世代を超えて多くの方に愛されてますね」
立大大学院の社会デザイン学専攻博士課程前期課程で学ぶ島田佳久さん(63)。
3日、ニュースで長嶋さんの死去を知り、がくぜんとした思いの中、モニュメントのことが頭に浮かんだ。
「ミスターに感謝を伝えたい。気がついたら雨の中、花を手向けていました」。
島田さんこそ、最初の一輪を供えた人物だ。
花はヒガンバナ科の紫色のアリウム。
花言葉が「深い悲しみ」「不屈の心」だったことから選んだという。
長嶋さんのプレーや人柄に心引かれ、野球少年になった島田さん。
「ミスターが守っていたから」という理由で拓大野球部時代までポジションは三塁手だった。
スポーツ用品大手「アシックス」での社会人時代は、市民ランナー向けのランニングコーチや、トライアスロン選手サポートのためシドニー五輪から東京五輪まで同行するなど、スポーツ中心の毎日だった。
定年退職後、人生でやり残したことは勉強だと考え、大学院への挑戦を決意。
「それなら立教だ。ミスターの後輩になれる!」との気持ちを原動力に猛勉強し、昨年夢をかなえた。
「長嶋さんが通った学校にいられることが幸せです」と充実した表情を見せた。
島田さんが手向けた一輪の花はSNSで広がったほか、ネットニュースでも取り上げられ、花を手向ける人が続出。
翌4日には献花台ができた。
「亡くなる前から、この場所を通るときには一礼していました。あいさつは野球人の基本ですから」と話した。
ここまでの人生、ミスターに導かれるように歩んできた。
「太陽のように特別な存在。これからも僕のヒーローです」と島田さん。
憧れの人の息吹を感じながら勉強し、次に進むべき道を見つけたいと考えている。
モニュメントは昨年5月、立教学院創立150周年を記念して設置された。
学院広報は「このモニュメントを見て、長嶋さんの後輩であることをかみしめる学生は多かった」と話す。
手を合わせに来た文学部3年の日塔陽太さん(21)と野口大貴さん(21)は「日本野球界の礎を築いた偉大な人」と悼んだ。
参照元:Yahoo!ニュース