急増「振りコメ詐欺」被害 激安銘柄米を表示 精巧に作られた偽サイト徹底追跡

アイリスオーヤマのネット通販では、随意契約による備蓄米が5キロ2000円で販売され、売り切れが続いている状況だ。
こうしたコメの販売サイトになりすまして現金を振り込ませるという詐欺が今、急増している。
「おコメの詐欺にあったという感じなんですけど。備蓄米、全然違うサイトだったけど、気付かず買ってしまった」
こう話すのは、アイリスオーヤマでネット販売された備蓄米を購入しようとして「振りコメ詐欺」の被害に遭った、兵庫県に住む20代の主婦です。
生後数カ月の子どもがいて、店舗販売に並ぶことが困難なため、随意契約の備蓄米をネットで購入しようとした。
しかし、アイリスオーヤマの備蓄米は29日の販売初日は即売り切れ。
そのため女性は…。
「次の日(先週金曜)の昼にアイリスオーヤマのおコメがネットで売られるというのを聞いて、私も急いで調べて」
午後1時からの販売30分前に、ネットでアイリスオーヤマのコメを検索し、1番上に出てきたサイトにアクセスしたという。
すると…。
「値段もすごく安くて、(10キロ)1万2000円がセールになって(10キロ)3500円(3600円)みたいな。安さにひかれたというのもあります」
クリックした先には、コメが高騰するなか、5キロ換算で1800円という破格の値段でブランド米が売り出されていた。
しかも、5000円以上は送料無料だ。
「(Q.これだ!と思っちゃった?)そうなんです。別にそれが備蓄米じゃなかったとしても、安くおコメが手に入るならそれはそれで結果的に良かった」
さらに、安さ以外にもひかれた部分があったという。
「(夫婦)2人ともおコメが大好きで、おコメをたくさん食べるので。2週間に1回はおコメがないとスーパー色々回って、すごい大変で。もう売り切れましたとかいうのが連続で、結構(夫婦)お互いにおコメに対してストレスを感じて」
「(Q.どうしてもおコメをゲットしたいという気持ちが?)ありました」
「急いで買わないと売り切れる」という焦りもあり、サイトにクレジットカード情報を入れ、注文してしまったという。
しかし、このことを家族に話すと…。
「『それ安すぎひん?』みたいな。『大丈夫?詐欺じゃない?』みたいな感じになって、えっ〜!となって」
被害に遭った女性が利用した「お米の定期便」というサイト。
実は、岐阜県警が注意喚起を行っている詐欺サイトと同じものだった。
「お米の定期便」ホームページには「いつもの食卓にいつも美味しいお米を」「早めのお申し込みがおすすめ!」「最大30%OFF」といった、おいしいコメをお得に購入できるかのような耳障りの良い言葉が並べられている。
しかし、よく見てみると、最大30%オフの表記がありますが、1万2000円が3600円と70%オフになっている。
4480円が1344円で70%オフ、4341円が1302円で70%オフと、すべての商品が「30%オフ」ではなく、元々の値段の3割、つまり「70%オフ」の価格で表記されている。
岐阜県警は、他のサイトより明らかな割引をしているサイトに注意するよう呼び掛けている。
詐欺サイトには他にもおかしな点があった。
送料のページには「全国配送無料」と書かれているが、他の場所には「5000円以上送料無料」と矛盾する内容がある。
さらに、「土・日・祝日は電話対応をお休みさせていただきます」と書かれているが、サイトにはどこにも電話番号が書かれていない。
この詐欺サイトを巡って頭を悩ませている人がいる。
「『おコメを頼みましたが届きません』『こちらの電話番号が載っているのに送ってくれないのか』、そういう(苦情の)電話を何回も何回もかけてくる。スポーツ店ですから、もちろんコメは販売していません」
こう話すのは、岐阜県恵那市のスポーツ用品店の店主だ。
詐欺サイトの問い合わせ欄には、このスポーツ用品店の住所が記載されている。以
前は住所だけでなく、電話番号も記載されていた。
「3月31日が始まりで、それからずっと電話が鳴りやまない状態。困るどころではないですね」
「買ったはずのコメが届かない」といった苦情が一日に50件以上寄せられることもあり、3月末からこれまでに1400件を超えているという。(5月14日時点)
住所や電話番号を勝手に使用された理由は思い当たらないという店主。
岐阜県警によると、この詐欺サイトの海外で作られたものだという。
そして、詐欺サイトを運営していた会社は「セレストグレイン」と名乗っていた。
サイトのアドレスを頻繁に変えているという詐欺サイト。
「お米の定期便」は番組が確認しただけでも3つあり(1つは既に削除済み)、現在は別の会社名が書かれているが、よく見ると「セレストグレイン」の文字が残されていた。
実在するコメ業者をかたる「偽サイト」もある。
日本有数のコメどころで知られる新潟県長岡市で、コメの販売を行なっている「お米のたかさか」社長の高坂英義さんは、2週間ほど前「会社の偽サイト」に気付いたという。
「御社の名前を使って販売されているようですけど、これ偽サイトじゃないですか?って」
本物のサイトを偽サイトを比べると、見た目は全く違う。
「会社の名前だけうちのを使って、他の部分は他社さんのものを使っているという可能性が高いですね。極端に安すぎるので。これだけおコメが高いって騒がれてるのに、セールをするところなんてあり得ないので」
偽サイトで販売されているのは、令和6年産のあきたこまちが10キロ5600円など各地のブランド米が破格の値段となっている。
この偽サイトの存在が発覚してから、日を追うごとに問い合わせの電話は増え続けたという。
「実際に買われてしまって『商品が届かない』っていうお客さんもいらっしゃいましたね。お宅では補償できないのか?という…。買っちゃって、お宅は何も関与していないのか?本当に、という…」
問い合わせは多い日で一日に50件以上に上る日もあるという。
高坂さんはすぐに警察に相談し、ホームページでも注意喚起を記載している。
「注意しないといけないのは、まず値段が異常に安いということ。あとは電話番号とか問い合わせの記載がないっていうのも普通の会社だとあり得ないので」
「お米のたかさか」をかたったホームページには、新潟市の住所が記されていた。
その場所に行ってみた。
近隣のレンタカー店「(Q.この辺りにコメの販売店や精米店は?)聞いたことないです」
近隣の酒屋「架空の住所じゃないかな?(地図上に)ないからね」
周辺を取材すると、「コメ店」どころか記載されていた番地自体が存在しないものだった。
ホームページ上にも、おかしな点がいくつもあった。
プライバシーポリシーが「プライバシーポrishー」とおかしく表記されている。
番組が注目したのは、ここで使われていた「文字」だ。
「場合」「個人情報」「技術的」など、中国の簡体字が使われている。
さらには、偽サイトを詳しく見てみると、アルファベットで「セレストグレイン」の文字が確認できる。
これは、岐阜県警が詐欺サイトとして注意喚起している「お米の定期便」を運営している「セレストグレイン」と同じ社名だ。
同じ組織が名前を変えて同様の詐欺行為をしているということだろうか。
高坂さん「ちょっと怪しいなと思ったら、隅々までこういったところも見ていただければいいかなとは思いますね。やっぱりこういうおコメの問題が騒がれているなかで、それを逆手にとって人から奪い取ってやろうっていう…。本当に悪質なサイトだなと思いますね」
参照元:Yahoo!ニュース

