台湾の人気菓子に「抗日戦争勝利」の特別パッケージ その狙い

台湾の国旗を撮影した画像

台湾で人気のスナック菓子に抗日戦争勝利を記念した特別パッケージが登場した。

国防部(国防省に相当)が地元メーカーと提携して企画したもの。

第二次世界大戦終結から80年の今年、中国が抗日戦争で共産党が果たした役割をアピールするとみられるのに対し、「歴史の改ざんだと示す」(国防部)狙いがある。

幅広い年代に人気の「乖乖(グアイグアイ)」は1969年発売のロングセラー。

特別パッケージの一つでは、上海で国民党軍と日本軍が戦った「四行倉庫の戦い」(37年)をイラストにした。

袋の裏には年表が掲載され、蔣介石率いる中華民国が第二次大戦に勝利し、49年に共産党が中華人民共和国を建国した経緯を強調。

「誰が戦ったのか?一目瞭然だ!」との文字が添えられている。

蔣介石は共産党との内戦に敗れ、台湾に逃れた。

このほか、国民党軍を支援した米義勇軍「フライングタイガース」をデザインしたパッケージなど全3種類計10万袋を製造し、コンビニエンスストアなどで販売する。

中国は9月、友好国の首脳らを招いた大規模な記念式典を北京で開催し、戦勝80年を内外に強く印象づける構えだ。

5月9日には習近平国家主席がモスクワで開かれたロシアの対独戦勝80年記念式典に出席。

プーチン大統領との会談では「中露両国の人民は80年前、多くの犠牲を払って世界平和と人類の進歩に歴史的貢献を果たした」と強調した。

さらに習氏はロシアメディアへの寄稿で、「台湾の中国復帰は第二次大戦の成果であり、戦後国際秩序の重要な一部だ」と主張し、「一つの中国」原則の正当性を改めて訴えた。

これに対し、台湾の頼清徳総統は5月8日、台北市で初の欧州戦線勝利記念行事を開催。

「侵略者の野心を軽視したことで全面戦争につながった」と述べ、名指しは避けつつも中国への警戒感をにじませた。

参照元:Yahoo!ニュース