日大“授業料1億円不正”問題、通報した元職員がイジメを受けていた「この大学は変わらない」「職場で無視されるように…」

不正を摘発している男性をイメージした画像

日本大学の重量挙部で昨夏に発覚した、授業料の不正徴収問題。

続いて判明した陸上競技部、スケート部も含めた3部の被害総額は1億1500万円以上に上るとされる。

「日大は重量挙部の元監督を懲戒解雇にして、刑事告発に動くと公表。警視庁がじきに捜査の手を伸ばすでしょう。元監督は、本来は授業料免除の特待生とその保護者に対して『1年目だけは授業料がかかる』と嘘を伝え、部の口座に振り込ませたうえで、飲食費や遊興費に充てていたようです」(社会部記者)

実は、この事案の“第一発見者”は、会計担当者だった日大の元職員Aさんだ。

Aさんが不正を見抜き、上層部へ報告したことがきっかけだった。Aさんが経緯を語る。

「昨年5月、重量挙部の保護者から『授業料の支払いがおかしい』と連絡がありました。私はすぐに部活動側と学部側に報告した。その後、不正の手口が徐々に明らかになったのです」

日大はAさんの通報を契機に調査に乗り出した。

そして昨年7月以降、事案の概要と調査の進捗、「お詫び」などをホームページなどで公表してきた。

ところが――。

その裏でAさんを待ち受けていたのは、大学の上司や同僚による“イジメ”だったという。

「なぜか私は、職場で無視されるようになりました」(Aさん)

何が起きたのか。

Aさんは言う。

「報告すると、キャンパスの事務局長に呼び出され、『なんてことしてくれたんだ!』と罵倒された。その後、7月には会計係から外されました」

かつて“ドン”と呼ばれた故・田中英寿元理事長が2021年に脱税容疑で逮捕されて以来、日大は様々な改革案を掲げてきた。

しかし、旧田中派の強権的な体質は今も残り、Aさんを苦しめたというのだ。

「この大学のいまだ変わらない体質についてお話しします」(Aさん)

日大広報課に質問すると、「A氏から部長に報告があったのは事実でございます。その結果、即座に本部に報告され、事実調査を実施して事案を解明し公表しています」と認めた。

他方で「(イジメについては)当該学部関係者が事実を隠蔽しようとした事実もハラスメントを行った事実もありません」などとした。

5月28日(水)12時配信「 週刊文春 電子版 」および29日(木)発売「週刊文春」では、「授業料不正」を発見したAさんが、その後に大学内で受けた「公益通報者いじめ」の実態を明かしている。

参照元:Yahoo!ニュース