来場者増え「並ぶ万博」に不満や戸惑い 人気パビリオンは待ち時間4時間超・当日予約取れず

関西万博の外観を撮影した画像

大阪・関西万博の来場者が増えている。

23日には開幕日(4月13日)を上回る13万人超が訪れ、過去最多となった。

会場内の混雑には拍車がかかっており、来場者から不満や戸惑いの声が上がる。

ミケランジェロの彫刻「キリストの復活」などを展示し、屈指の人気を誇るイタリア館。

24日は雨天となったが、朝から大勢の人が詰めかけ、近くにある大屋根リングの下にも長蛇の列ができた。

愛知県安城市の派遣社員(61)は午前9時50分頃から並び始め、入館できたのは4時間40分後の午後2時半頃だった。

永田さんは「イタリアに行かないと見られないものを見られて感動した」と大喜びの一方、「足が棒のようです」と苦笑した。

会場内には点字ブロックがあるが、この日はパビリオンの入館待ちの人が傘を差す分、列の幅が広がり、点字ブロックがふさがれる事態も起きていた。

白杖(はくじょう)を持っていた名古屋市の男性(58)は「点字ブロックを頼りに進もうとしても、なかなか白杖に気づいてもらえない。初めての万博だが、想像以上に不便な点が多く、正直楽しめていない」と残念がった。

リング下のごみ箱では、ごみの量が増加。

50歳代の女性スタッフは「20分に1度の回収でもあふれる勢い。ほとんど休む間もなく、このまま来場者が増えるとパンクしてしまう」と話した。

日本国際博覧会協会(万博協会)によると、万博の来場者数は大型連休などを除き4万~9万人台で推移していたが、5月中旬以降は平日でも10万人超が来場。

同月23日は13万9000人(速報値)で、これまで最多だった開幕日の12万4339人を上回った。

来場者の増加は、受け入れの容量を増やしていることが大きい。

万博協会は、手荷物検査のスタッフの習熟などに伴い、東西に2か所あるゲートの来場予約枠を徐々に拡大。

万博協会幹部によると、利用者の多い東ゲートは開幕当時の1.5倍にしたという。

「夜間券」の入場可能時間を午後4時に1時間前倒しするなど、午後の来場者を増やす取り組みも進める。

会場の混雑でトラブルも発生している。

来場者は入場した10分後から、万博の公式ウェブサイトでパビリオンの「当日予約」が可能となる。

しかし、24日午前10時過ぎからサイトへのアクセスが集中し、入場から予約まで最大90分かかった。

大屋根リングの下で雨宿りしていた岐阜市のパート従業員(41)は「行きたいパビリオンを事前に計画していたけれど、どこもいっぱいで全然入れない。予約ページもつながらず、諦めモードです」と話していた。

万博協会幹部は取材に「サーバーを増強するなどできる対策はやっていきたい」と述べた。

東ゲート近くのオフィシャルストアでは、約300人が入店待ちの列を作った。

スタッフによると、23、24両日は、開幕日を上回る行列になったといい、入店規制も行った。

大阪府茨木市の大学生(18)は「店内は満員電車みたいに人が多くて、買う気がうせた」と話し、何も買わずに帰路についた。

来館予約が不要で、比較的すいているとされてきた共同館「コモンズ」でも、24日はたびたび入場制限がかかった。

万博協会は半年間の会期で2820万人の来場を想定。

1日平均では15万人で、今後、さらなる人出の増加が予想される。

万博協会は、予約制のパビリオンには、予約枠を拡大するなどの対策を求めていくとしている。

参照元:Yahoo!ニュース