乗っ取られた証券口座、闇サイトに14万件 ダークウェブで売買か

証券口座をイメージした画像

証券口座の乗っ取り問題をめぐり、匿名性が高いネット空間「ダークウェブ」上の闇サイトなどに、日本の証券口座のID・パスワードといった認証情報が少なくとも約14万件掲載されていたことが、セキュリティー会社の調べで分かった。

乗っ取られた口座の認証情報が闇サイトで売買され、さらに悪用されたとみられる。

企業のサイバーセキュリティー対策を手掛けるマクニカ(横浜市)が、イスラエルのセキュリティー会社KELAと協力し、ダークウェブの闇サイトなどを調査。

日本の証券会社名と口座のログインID・パスワードが大量に投稿され、氏名、住所や取引に使う暗証番号まで載っている例も確認できたという。

乗っ取り被害を公表した国内証券14社について集計したところ、23日時点で計13万7914件に上った。

国内で残高がある証券口座数は3月末時点で約3860万件で、単純計算で0.3%にあたる。

マクニカの瀬治山豊セキュリティ研究センター長補佐は「犯罪者は盗んだ情報を売るためにダークウェブ上などに載せるが、『こんな良い情報があるぞ』とサンプル的に一部の情報を見せる」と指摘。

「約14万件はその集計で氷山の一角。実際は10倍流出していてもおかしくない」と話す。

今回の証券口座乗っ取り問題では、闇サイトで口座情報を買い取るなどした犯罪グループが本人になりすまして口座を操作。

口座内の株を売却した資金で超安値の別の株を大量に買い、株価をつり上げて利益を得たとみられる。

金融庁の4月末時点のまとめでは、不正取引は1~4月に3505件、売買額は3049億円に上る。

参照元:Yahoo!ニュース