石田三成ゆかり、樹齢420年のアカマツが雪害でぽっきり 「早く対処を」青森の子孫が修復願う

戦国武将の石田三成にゆかりがある青森県板柳町深味地区のアカマツが、昨年12月からの記録的大雪で複数の枝が折れる大きな被害を受けたまま放置されている。
子孫は「三成と深味地区をつなぐ大切な木。枯れないように早く対処してほしい」と願う。
樹齢約420年のアカマツは、三成の子孫が暮らした屋敷跡地に立つ。
町教委によると、2004年に町文化財に指定された当時は高さ17.25メートル、幹の太さが最大2.77メートルあった。
今年1月7日、太い枝が折れているのを近くの住民が見つけて町教委に連絡。
建物への被害や、けが人はなかったという。
「幹が折れなかったのは幸いだった」。
三成の末裔(まつえい)で青森市に住む杉山丕(はじめ)さん(89)は今月16日、初めて現場を訪れた。
杉山さんによると、三成と深味地区との縁は、1600(慶長5)年の関ケ原の戦いにさかのぼる。
西軍を率いた三成の次男重成(しげなり)は、豊臣秀頼の小姓として大坂城にいた。
敗戦を知ると津軽地方を治めていた津軽氏の家臣を頼って逃れ、杉山源吾と名を変えた。
杉山家は代々、現在の深味地区を領した。
杉山さんは15代目に当たる。
弘前藩祖の津軽為信が南部氏から独立した際、三成の取りなしで豊臣秀吉に所領を認めてもらった恩義から杉山家を代々保護。
菩提(ぼだい)寺の宗徳寺(青森県弘前市)にある杉山家の墓石には、五奉行の一人で豊臣姓を許された石田一族のしるしとして「豊臣」と刻まれている。
杉山さんは、深味八幡宮で毎年8月15日にある例大祭に参列するなど、今も地区の住民と交流を続ける。
「アカマツは三成の子孫が生き残った証し。深味が脚光を浴びるチャンスと捉えて善処してほしい」と望む。
町教委生涯学習課によると、雪解けを待って対応に動いたものの業者との調整が長引き、被害枝を撤去する工事は今月下旬以降にずれ込む見通し。
担当者は「樹齢が長く、歴史的な価値も高い。町の文化財として保存できるようできるだけ早く対応したい」と話す。
参照元:Yahoo!ニュース