八潮の道路陥没、「第2の陥没にビクビク」「すごい匂いで目が覚める」 住民説明会

埼玉県八潮市の県道陥没事故を受け、県は17日、同市内で事故現場周辺の住民向けに大規模な説明会を開いた。
事故や復旧工事などの影響で売り上げが減少した事業者らへの補償をするため、相談会を開く方針などを示した。
参加した住民からは、下水の悪臭などを訴える声が上がった。
説明会は、現場周辺の約170世帯を対象に行われた。陥没した穴に落下したトラックの男性運転手(74)の遺体が2日に引き上げられて以来、大規模な説明会の実施は初めてだ。
県は、遺体と運転席部分を搬出した経緯などを説明した。
交通規制が続く現場について、来年3月までに、陥没した穴を埋め戻して4車線のうち2車線を通行できるようにする目標を明らかにした。
全車線の復旧のめどは示さなかった。
影響を受けた事業者や住民を対象に、6月2~19日に補償に関する個別相談会を開く予定も明らかにした。
交通規制のため休業を余儀なくされた小売店や飲食店、工事に伴う振動で家が傾いた住民などが対象だ。
被害の実態を確認した上で、補償金の支払いなどについて検討するという。
参加した住民からは、悪臭に対する苦情が相次いだ。
ある男性は「すごい臭いがして深夜に目が覚める」と話し、空気清浄機の利用が増えて電気代が高くなったと訴えた。
別の住民の女性が「臭いがなくなるのはいつなのか」と質問すると、県側は「できる限りの対策をしていく」と答え、陳謝した。
「第2の陥没事故が起きるんじゃないかと、皆ビクビクしている」と声を荒らげる男性もいた。
工事のため県に土地を貸しているという別の男性は、「応援するつもりで貸したが、ないがしろに進めていると不信感を抱く」と苦言を呈した。
県は、陥没原因を究明しつつ周辺の管の再調査も行うなどと、説明に追われた。
県の担当者は終了後、記者団に「臭気に対する声が非常に強くなった」と述べ、追加対策を講じる考えを示した。
悪臭を防ぐため、バイパス工事の際に開けた穴にふたを追加設置するという。
夏頃には、下水道管内にたまった汚泥を撤去する予定だ。
参照元:Yahoo!ニュース