「リターンライダー」が増加 再びバイクに乗り始めるために心がけるべきこととは?「体力・筋力がないことを自覚するのが大事」ライダーの「聖地」信州から考える

バイクに乗っている人

「リターンライダー」という言葉をご存じだろうか?

若いころオートバイに乗っていた人が再びバイク乗り始めた、つまりリターンしてきた人たちのことだ。

事故を防ぎながらツーリングを楽しむにはどうすればいいか取材した。

埼玉から:「めっちゃ最高ですね。来てよかったです」

岐阜から:「非日常を味わえる感じですかね。夏は涼しいし気持ちいいし、景色もいいし 都会にはない感じですね」

茅野市から上田市を結ぶ高原ルート=ビーナスラインは、遠くの山々まで見えて、アップダウンやカーブが続くことからライダーにとって「聖地」と言われている。

東京から:「25歳で降りて60歳で復活だから、定年退職して時間ができてお金もできてバイク買って乗ると」

県内から:「乗りたくなって 子どもも落ち着いたんで免許取って」

名古屋から:「若い時から乗りたかったんですけど。タイミングが今になっただけですね。楽しいですね。気持ちいいですね」

県警免許課によりますと新たに二輪車免許を取った人は、2022年からの新型コロナの時期に増加傾向になった。

これに全国の二輪車販売台数を重ねて見ると、同じ時期に販売台数が増え特に、大型二輪免許が必要な排気量400cc以上のバイクが伸びている。

「相棒の馬みたいなもんですね」

駒ケ根市に住む加藤恵一さんもリターンライダーだ。

アメリカにいたときに免許を取り大型バイクに乗っていた。

その後愛知から駒ケ根にIターン、20年のブランクのあとリターンした。

アメリカ製の1200ccのバイクで飯田市に向かうお気に入りの農道=ハーモニックロードを走る。

加藤さんの乗り方を車載カメラで見ると、交差点では減速して左右を何度も確認していることがよくわかる。

加藤恵一さん「交差点は本当に怖いんで確認しすぎるくらい。237「急な進路変更あったり止まったりあり得ますから。そういう時に対応できるように運転を心がけてますね」

県警のまとめでは、二輪車の事故は、交差点などでの出合い頭の事故と、追突が常に事故の上位を占めている。

交差点での安全確認、そしてバイクを確実に止めることが安全のための課題になっている。

再びバイクに乗り始めたリターンライダー。

平谷村では初心者・リターンライダーからベテランまでスキルアップのための練習会が開かれている。

25年間バイクをおりていた記者。安全なライダーになれるか練習会に参加した。

二輪車安全運転特別指導員 小池弘明さん:「体力筋力がないことを自覚するのが大事ですね」

記者:やっぱり違いますね、30代のころとは」

二輪車安全運転特別指導員 小池弘明さん:「やっぱりまず慣れるというところから始めるのも大事ですよね」

事故を起こさないためにきちんと止まること、そのための練習だ。

時速40キロで通過して、青い信号が出た側の障害物を避けてからブレーキをかける。

記者:「青になった方に行って(障害物を)避けて止まるというのはわかるんですけど、反応がどうしたらいいか」

二輪車安全運転特別指導員 小池弘明さん:「急な動きに反応できないのが、年とともに当然自分の体に現れますね。一般道を走っていてこういうケースは必ずあると思う。横から車や人が出てきたときに回避するか、止まるべきか。その判断を一瞬でしなければならない。この頭の働きが加齢とともに落ちてくる」

何度か繰り返しているうちに確認→判断→操作がスムーズになってきた。

二輪車安全運転特別指導員 小池弘明さん:「バイクって楽しいじゃないですか。ただ趣味なんで、ずっと楽しいままで終わるのが一番いいんですよ」

25年前に駒ケ根にIターンした加藤さん。

駒ケ根インターの近くでライダーのためにガレージを開放している。

加藤恵一さん:「工具も一通りそろってますので、ちょっと調子がおかしいとかちょっと空気入れたい方がいたら、ここに来れば自分でメンテしていただければ。セルフメンテナンススペースって呼んでますので。やっぱりライダースパラダイス信州ということで信州はライダーにとって優しいところだよと」

バイクの安全運転指導員の小池さんにバイクに乗るときの一番の心構えを聞いた。

二輪車安全運転特別指導員 小池弘明さん:「『行ってきます』と行ったら『ただいま』と普通に帰ってくるだけですよね。とても幅広い意味があるんですけど、無理をしない、無茶をしない、その2つかもしれません」

参照元:Yahoo!ニュース