日産、追浜と湘南の2工場閉鎖で調整 海外はメキシコなど

経営再建中の日産自動車が計画している工場削減案で、国内は主力の追浜工場(神奈川県横須賀市)と子会社・日産車体の湘南工場(同県平塚市)、海外はメキシコの一部やインドなどが対象になっていることが分かった。
事情を知る関係者が明らかにした。
販売が低迷する中、国内外で生産能力を削減して立て直しを急ぐ。
日産は13日、2025年3月期の純損益が6708億円の最終赤字となったことを発表。
2027年度までに世界の完成車工場を17から10に減らす方針を示していたが、対象となる具体的な工場名は明かしていなかった。
追浜と湘南2工場の生産能力は、国内全体の約3割に相当する。
2工場が閉鎖されれば、創業の地である神奈川県から完成車工場がなくなり、国内は栃木(栃木県上三川町)、日産自動車九州(福岡県苅田町)、日産車体九州(同)のみとなる。
追浜は1961年に操業を始めた「技術の日産」を象徴する工場。
先進技術を搭載した車を生産し、その後に海外拠点へ展開する役割を担ってきた。
日産を代表する乗用車「ブルーバード」、初の量産型電気自動車「リーフ」も同工場が手がけていた。
現在は小型車「ノート」と派生車種の「ノートオーラ」のみを生産する。
リーフは25年度のモデル刷新を機に栃木工場で生産する予定。
湘南では商用車を生産しているが、11月には「ADバン」の生産終了が決まっており、「NV200バネット」だけになっていた。
関係者の1人によると、海外の完成車工場についてはメキシコで一部の工場を閉鎖し、インド、アルゼンチン、南アフリカでの生産から撤退することを検討している。
閉鎖工場については、17日付の読売新聞が先に報じていた。
日産は「憶測に基づくもので当社から発表した情報ではない」とのコメントを公表。
アルゼンチンからメキシコへのピックアップトラック「フロンティア/ナバラ」の集約などすでに発表したものを除き、工場閉鎖や統合について「現時点で伝えられることはない」とした。
参照元:REUTERS(ロイター)