ふるさと納税主力返礼品の「水」提供業者が寝耳に‟水”の破産へ 職員「逆に応援してくれれば…」静岡・伊豆の国

ふるさと納税を取り入れている自治体をイメージした画像

静岡県伊豆の国市のふるさと納税の主力返礼品「ミネラルウォーター」の提供事業者が4月、突然事業を停止し、自己破産手続き開始の申し立てをしたことが分かった。

ミネラルウォーターは同市の寄付金額の約3割を占めていて、破産は市にとって寝耳に水の事態で職員は対応に追われている。

事業を停止したのは伊豆の国市宗光寺のミネラルウォーター製造、販売業の「エムアイファクトリー」。

同市が同社の事業停止を把握したのは4月30日のこと。

「午前9時ごろ市外の会社から『伊豆の国市さんも関係ありますよね?』と電話があってそこで初めて知りました」とは同市商工課の鈴木悠介副参事。

すぐに確認に向かうと会社には代理人弁護士名で「告示書」が張られていて、「4月28日に経営上の都合から事業活動を停止いたしました」との文言が。

事前に同社が経営危機に陥っているという情報はなく、まさに寝耳に水。

すぐに受注を取りやめるなど対応に追われたという。

同市の寄付総額は2022年度が約4億3500万円。

23年度が約4億5000万円。

24年度が4億6700万円と右肩上がり。

同社の水は22年度に約1億7000万円を集めるなど、直近3年の寄付総額のうち、すべての年度で約3割を占める人気商品だった。

25年度もすでに約850万円を水だけで集めているが、約250件で商品が届けられない状況になっている(5月8日時点)。

鈴木副参事によると納品されていない寄付者については、返金を基本路線に5月中に方針を固めるという。

一方で去年12月31日までに寄付した人は住民税控除の対象となるため、仮に返金すると寄付者が修正申告をする必要があるため「代替品を発送することになると思う」としている。

ふるさと納税は必要経費などを抜いた分が市の財源となるが、見込んでいた財源の3分の1がなくなることになる。

鈴木副参事は「大打撃だがまずは寄付してくれた方への対応を真摯に行っていく。その後に新たな返礼品の開発など打開策を模索していきたい。今回のことで逆に伊豆の国市を応援してくれる人が増えれば」と話した。

参照元:Yahoo!ニュース