黒潮大蛇行、終息する可能性 過去最長、7年9カ月継続 気象庁

気象庁の外観を撮影した画像

気象庁は9日、黒潮が紀伊半島や東海地方から大きく南へ離れて流れる「大蛇行」が終息する兆しがあると発表した。

今回の大蛇行は資料が残る1965年以降、6回目で、2017年8月から約7年9カ月間続いており、最長記録。

沿岸海域の水温が変動して漁業に影響したほか、東海の豪雨や猛暑の一因になったとの研究報告もある。

黒潮は流れの速い暖流で、大蛇行は流路が紀伊半島南端の潮岬から南へ継続的に離れ、東海沖で北緯32度より南に位置するのが条件。

U字形に蛇行した部分の北側は水温が低くなる。

4月下旬以降はU字形の部分がドーナツ状に分離し、紀伊半島に近い所を流れるようになった。

ただ、同様の現象は20年10月にも起き、その後は大蛇行が復活した。

このため同庁の担当者は「終息したかは、3カ月程度推移を見てから判断したい」と話している。

水産研究・教育機構によると、大蛇行の発生後、関東・東海沿岸でブリやカンパチ、クロマグロなどがよく取れるようになった。

一方、東海沿岸でシラスやヤリイカが不漁になったことがあり、ワカメやヒジキなどの生育状況が悪化した。

参照元:Yahoo!ニュース