知日派のジョセフ・ナイ氏死去、88歳 米国のソフトパワー提唱 国際政治の巨星

ハーバード大学を撮影した画像

米ハーバード大の名誉教授(国際政治)で知日派のジョセフ・ナイ元国防次官補が6日、死去した。

同大が7日発表した。

88歳だった。

ナイ氏は1990年代、米国の価値観や文化、外交政策で相手国を魅了し、味方に付ける「ソフトパワー」戦略を提唱した。

2014年には日米同盟への貢献から、旭日重光章を受章した。

東部ニュージャージー州サウスオレンジ生まれ。

58年にプリンストン大を卒業、64年にハーバード大大学院で政治学の博士号を取得した。

95~2004年まで同大ケネディ行政大学院の学長を務めた。

政府機関では77~79年に国務省で安全保障援助・科学技術担当の次官代理、クリントン政権時代の94~95年に国防次官補など要職を歴任した。

また、故リチャード・アーミテージ元国務副長官らと超党派で政策提言「アーミテージ・ナイ報告書」(2000年から6回発表)をまとめ、日米同盟の深化に大きな影響を与えてきた。

ハーバード大は声明で「(ナイ氏は)国際関係分野の巨星だった。冷戦後の複雑な安全保障問題に対処する米国のアプローチを根本から変革し、核拡散の抑制に努め、中国と日本に対する新戦略を策定した」などと功績をたたえた。

参照元:Yahoo!ニュース