中国、ハリウッド映画の輸入制限 エンタメでもトランプ関税に報復

中国政府は10日、トランプ米大統領が中国製品の輸入関税を引き上げたことへの報復措置の一環として、ハリウッド映画の輸入本数の制限を直ちに始めると発表した。
ハリウッド映画は米国の代表的な輸出品の一つだが、中国での興行収入は近年大幅に減っている。
このため、業界アナリストらは経済的な影響は最小限にとどまるとの見方を示した。
中国国家映画局はウェブサイトで、トランプ氏の関税措置によって中国での米映画の需要がさらに落ち込むとして、「私たちは市場の規則に従い、観客の選択肢を尊重した上で、米映画の輸入本数を緩やかに減らしていく」との声明を出した。
中国は世界2位の映画市場で、かつてはハリウッド映画の興行成績を押し上げる要因になっていた。
しかし、現在は国内映画が大きく上回っており、今年公開された中国製アニメ映画「ナタ2 魔童の大暴れ」が米ピクサーの「インサイド・ヘッド2」を圧倒し、アニメ作品で過去最高の興行収入を記録した。
今年2月に公開された米マーベルの作品「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」は世界興収4億1300万ドルのうち中国は1440万ドルにとどまった。
2020年以降、中国映画は国内の年間興収の約80%を占めており、かつての約60%から上昇している。
参照元:REUTERS(ロイター)