「+94」スリランカから謎の着信相次ぐ 厚労省かたる電話も

スリランカで

「+94」から始まる番号から電話が掛かってきたことはないだろうか。

今、スリランカから発信されたとみられる謎の国際電話が相次いでいる。

スタッフの携帯電話に掛かってきたスリランカからの着信。

身に覚えのない番号だ。

その電話のおよそ15時間前にも、大阪でかかっていた。

大阪在住 30代の人
「夜中2時くらいに電話掛かってきて。寝ている時間帯じゃないですか、迷惑ですよね。全く知人とかがいるわけじゃないので。スリランカに」

着信履歴にスリランカからの発信を示す「+94」の表示が。

どちらも不審に思い、電話には出なかったそうです。 

ここ数日、SNSではスリランカからの“謎の着信”を報告する声が相次いでいます。

インド洋に浮かぶ小さな島国スリランカ。

近年は深刻な経済危機から、デモ隊が大統領の公邸を占拠するなど、混乱が広がっていました。

なぜスリランカから着信が相次いでいるのでしょうか。

ITジャーナリストの三上洋さんに聞きました。

ITジャーナリスト 三上洋氏によると、「これは『国際ワン切り詐欺』と呼ばれる詐欺です。推測できることは国際電話料金の一部が犯罪グループに渡る仕組みがあるということです」

“国際ワン切り詐欺”は、電話をワンコールで切る“ワン切り”で着信履歴を残し、国際電話料金を掛け直させる手口のこと。

折り返して通話をすることで、日本の電話会社に対し、多額の通話料金が発生。

そこから「接続料」が現地の国際電話会社に入り、その一部がキックバックされる仕組みだという。

三上洋氏は、「国際的な犯罪グループが関与していると思われます。電話が掛かっている国に(詐欺グループが)いるわけではありません。ほとんどの電話はIP電話、インターネット経由で接続されている。(折り返して)切らずに放置をしてしまったがために、1カ月の請求が数万円を超えたという報告もあります」

取材では「ニカラグア」など、小さな国からの着信も確認できましたが、詐欺対策のサービスを提供する「トビラシステムズ」の調査では、発信元として2番目に多かったのが「スリランカ」からの着信だった。

一方で、1番多かったのは「+1」から始まるアメリカやカナダからの着信。

その「+1」からの国際電話に16日、つい出てしまったという男性に話を聞くと、「電話に出たら韓国語か中国語の女性の声が聞こえました」

男性はこの番号、身に覚えがない。

通話時間は25秒。

「+1」から始まる国際電話に出た人は、「生の電話というよりは音声アナウンスみたいな、まるで録音していたのを流している感じでした」

番組が、それとは別に入手した「+1」からの留守電音声にも…。

「+1」から始まる不審な国際電話音は、
「ニーハオ(こんにちは)コウセイロウドウショウ…」 

アメリカやカナダからの電話のはずが、第一声、流れてきたのは“中国語”だった。

身に覚えのない国際電話からの“謎の着信”。

なかでも特に多いのがアメリカやカナダなど「+1」から始まる国際電話だ。

詐欺対策のサービスを提供する「トビラシステムズ」の調査でも、同じ「+1」から始まる国際電話が留守電に残した、こんな“不審な音声”が確認されています。

「+1」から始まる不審な国際電話
「ニーハオ(こんにちは)コウセイロウドウショウ…」

およそ10秒間、中国語が聞こえた直後…。

「+1」から始まる不審な国際電話
「厚生労働省とこんにちは。ここに重要な書類があります。お問い合わせの場合は『9』を押して下さい。担当者が対応します…」

中国語と日本語、両方の自動音声で厚労省を名乗り、ダイヤル操作を促してきました。

厚労省に確認したところ、この音声は偽物で「国際電話を使用した電話をすることはない」とのことだ。

これは、実在する企業などを装って、架空の未納料金などの支払いを求める「架空請求詐欺」の一つとみられる。

実は、今年に入ってから携帯電話へ着信する詐欺電話が急増。

その大半を占めていたのが国際電話です。

三上洋氏は、「なぜ国際電話を使っているか。総務省と警察庁が詐欺電話に携帯電話やIP電話が利用されている実態があるため、規制を行った。詐欺グループは日本国内の携帯電話番号やIP電話番号が使えなくなってきている」

 私たちは国際電話からの“謎の着信”にどう対処すれば良いのだろうか。

三上洋氏は、「大切なのは『+』から始まる(身に覚えがない)国際電話の着信、これは無視しましょうということ。受けない・掛けない・折り返さないことが大切だと思う」

参照元∶Yahoo!ニュース