気温40度超、難航する救助活動 ミャンマー地震の倒壊現場

ミャンマー中部を震源とする大地震の被災地では3月31日、救助隊が気温40度超の猛暑の中で救助活動を続けている。
生存の可能性が大きく下がる地震発生後72時間を超えたが、いまだ大勢が倒壊した建物に取り残されているとみられる。
震源に近い第2の都市マンダレーでは31日未明、倒壊したホテルに閉じ込められていた女性が60時間ぶりに救助された。
在ミャンマー中国大使館によると、地元の救助隊や中国やロシアなどのチームが5時間かけ、がれきの隙間(すきま)から女性を助け出すと、周囲から歓声や拍手が起きた。
軍事政権の支援要請を受け、近隣国のインドやタイ、シンガポールなどの救助隊も現地入りしている。
ただ、被害は甚大で救助や支援は追いついていない。
マンダレー在住の女性(31)は毎日新聞の電話取材に「隣町で家族9人が建物の下敷きになったままだと聞いた。墓地に向かう車が行列し、病院や遺体安置所にも多くの遺体が運びこまれている」と話した。
ミャンマーはこの時期が最も暑く、救助隊だけでなく、屋外で避難生活を送る被災者にも過酷な状況となっている。
SNS(ネット交流サービス)には、道路脇に張ったビニールシートの下で過ごす住民の様子が投稿されている。
AP通信は、首都ネピドーでは太陽が照りつけて死臭が漂う中、がれきの撤去作業が行われたと報じた。
一方、隣国タイの首都バンコクの高層ビルが倒壊した現場では、これまでに11人の死亡が確認され、いまだ70人以上の行方が分かっていない。
31日に現地を視察したバンコクのチャチャート知事は、少なくとも3人の生体反応を検知したと明かし、「72時間が経過しても救助作業は続ける」と述べた。
ミャンマー出身の男性(30)は、作業員の兄(40)の安否を確認しようとバンコクの現場に通っている。
「故郷で待つ兄の妻も心配している。一日も早く見つかったという連絡をしたい」と疲れをにじませた。
参照元:Yahoo!ニュース