「練習は家でして」投稿が物議醸し使用休止に ストリートピアノ巡る法的問題は

SNSの情報をチェックしている人

大阪・南港の商業施設にあるフードコートに設置されたストリートピアノが話題となっている。

下手な演奏に対して多くのクレームがあり、運営者がSNSで「練習は家でしてください」などと投稿したところ物議を醸し、使用休止の事態に発展したからだ。

このまま撤去する方向だという。

ストリートピアノを巡っては、設置場所や騒音、演奏マナーの問題に加え、著作権を巡る法的問題も無視できない。

著作権の切れたクラシック音楽でもない限り、他人が作曲した楽曲を公の場で上演するには著作権者の許諾を要するというのが著作権法の原則だ。

一方で文化の発展も重要なので、公表されている楽曲であれば、営利性がないなどの要件をみたす場合に限り、例外的に許諾や著作権使用料の支払いなしでの上演が可能となっている。

当然ながら入場料や演奏代を受け取るのはNGですが、商業施設などピアノを設置した運営者に営利目的があってもダメだ。

ピアノを壊さないとか、1人10分に限るといった注意喚起なら問題ないものの、楽曲の選定や演奏方法に口を出し、誰に演奏させるかまで決めるようであれば、集客や長時間の滞在、それに伴う直接的な収益をもくろんだ営利性のある事案だと評価する方向に傾く。

今回のケースも、なぜ客が飲食でとどまるフードコートにピアノを置いたのか、なぜ下手な演奏だとダメなのかといった点まで突き詰めて考えていくと、営利目的に基づいてCDやサブスクの代替となる店内BGMを期待していたのではないかと言われかねないわけで、著作権の問題がクリアされない限り、使用休止や撤去もやむなしということになるだろう。

参照元:Yahoo!ニュース