水族館で無料貸し出しのベビーカーを持ち去りか?「借りパク」巡る法的責任は

おたる水族館の外観を撮影した画像

北海道の「おたる水族館」によるSNS投稿が話題となっている。

来館者向けに無料で貸し出しているベビーカーが2月と3月に相次いで1台ずつ持ち去られたとのことで、初めてのケースに困惑しているという。

ネット上では、善意を踏みにじる行為であり、犯罪として捜査すべきだといった声まで上がっている。

貸し出し用のベビーカーを勝手に持ち去った場合、貸し出しの態様などによって窃盗罪、横領罪、詐欺罪の成立が考えられる。

すなわち、今回のように貸し出しに際して特に手続がなく、誰でも自由に使える状態だった場合、最初から持ち去るつもりだったのであれば、窃盗罪が成立する。

最初は閉館時間までに返すつもりだったものの、面倒になったとか、外でも必要になったといった理由から持ち去り、返却の求めを知っても無視しているのであれば、横領罪に問われる。

ネームシールを剥がしたり、本体を処分したりしていればなおさらだ。

これに対し、貸し出しの手続があり、担当者とやり取りをしていた場合、最初から期限までに返すつもりなどなく、それこそ偽名や嘘の住所を告げるなどしていたのであれば、詐欺罪が成立する。

借りたあと、途中で持ち去る意思が生じたということだと、先ほどと同じく横領罪に問われる。

ベビーカーを持ち去った者は、こうした刑事責任に加え、成立する犯罪の内容を問わず、民事の損害賠償責任も負うことになる。

ネット上では、再発防止策として、身元確認の強化やデポジットの導入が提言されているところだ。

参照元:Yahoo!ニュース