ウクライナ停戦、米国は4月20日めどに合意目指す ロシアは急がず

ウクライナとロシアの国旗を撮影した画像

トランプ米政権は広範なウクライナ停戦が数週間以内に実現すると引き続き期待しており、4月20日までの停戦合意を目指している。

事情に詳しい関係者が明らかにした。

今年は同日が西方教会と東方正教会の双方にとってイースター(復活祭)にあたる。

ただ、ウクライナとロシアの隔たりが大きいため、日程がずれ込む可能性があることも認識しているという。

非公開の情報だとして匿名を条件に関係者が明らかにした。

ロシアは停戦合意を前にウクライナへの空爆を強化しているほか、同国への兵器供給停止など、合意の条件として最大限の要求を突きつけている。

米政府は今月に入り、ウクライナへの重要な兵器供給を一時的に停止して同国に圧力をかけたが、関係者によると、今のところ兵器供給に制限を設けることには同意していない。

米当局者は向こう数日にサウジアラビアで、ロシアおよびウクライナの代表とそれぞれ個別に会談する。

今回の協議では、これまで両国の大統領が同意したエネルギー施設を対象としする30日間停戦の実施および監視に関する技術的な詳細が議題となる。

停戦の範囲を黒海にも拡大することも協議される見通し。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「具体的かつ非常に迅速な交渉に臨む用意がある」と述べている。

国防相と大統領側近2人を派遣し、限定的な停戦の対象となる標的リストの取りまとめを目指している。

一方、ロシアのプーチン大統領は下級の当局者を派遣する予定で、交渉団にはウクライナが特に敵視する治安機関のベテランも含まれている。

トランプ大統領はプーチン氏との首脳会談が「近く実現する」との見方を繰り返し示しているが、ロシア側は包括的な停戦合意が実現するまでは応じない方針だと、関係者は話している。

4月中旬までそれが実現する可能性は低いという。

プーチン氏が広範な要求を提示しているにもかかわらず、トランプ氏はいかなる合意もウクライナにとって受け入れ可能な内容でなければならない点を理解しており、そのため過度な譲歩をするつもりはないと、米国側の立場に詳しい関係者は述べた。

また、持続的な停戦合意が成立するまで首脳会談にも応じない方針だという。

ウィットコフ中東担当特使は「この8週間でロシア・ウクライナ紛争において誰もが想像しなかったほどの進展があった」と、21日公開された元FOXニュース司会者タッカー・カールソン氏とのインタビューで発言。

「最終的な目標は30日間の停戦を実現し、その期間中に恒久的な停戦について協議することだ。実現までそう遠くないところまで来ている」とした。

さらにウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は議題に含まれていないものの、同国が「北大西洋条約第5条(集団防衛)」による安全保障の支援を受ける代替案については「議論の余地がある」とも述べた。

ただ、詳細にはついては言及しなかった。

参照元:Yahoo!ニュース