米商務長官「テスラ株を買え」 マスク氏支える狙い、異例の“推薦”

ラトニック米商務長官は19日、販売不振に陥っている米電気自動車(EV)大手テスラの株を購入するようテレビ番組で呼び掛けた。
トランプ大統領の「側近」で、自身とも親しい同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の苦境を支える狙いとみられる。
現職閣僚が特定の民間企業の株式購入を薦めるのは極めて異例。
ラトニック氏は19日夜、FOXニュースのインタビューでマスク氏を「最高の起業家」と絶賛し、「もし今日の番組で何かを学びたいとすれば、『バイ・テスラ(テスラ株を買え)』だ。この男の会社の株がこんなに安いなんて信じられない」と発言。
「彼の作る技術やロボットが理解されるようになれば、二度とこんなに安くならない」とも述べ、世界的な販売不振で株価が下落中の今が買い時とあおった。
マスク氏は巨額の献金などでトランプ氏の大統領選勝利に貢献した。
トランプ政権下で規制緩和などの「見返り」を受けられるとの期待からテスラ株は一時急騰したが、連邦政府の人員を問答無用で削減したり、「極右」政治勢力に肩入れしたりする姿勢への嫌悪感から欧米で不買運動が拡大。
株価は急落し、今月中旬には大統領選前の水準にまで下がっていた。
テスラの不振を受けトランプ氏は今月中旬、個人としてテスラ車の購入を決定。
「偉大な米国人であるマスク氏への信頼と支持の証し」だと表明していた。
トランプ氏の「忠臣」であるラトニック氏も、これに続いてテスラ支援を公に呼び掛けた形だ。
マスク氏は昨年11月には経済閣僚トップの財務長官にラトニック氏を推す考えをX(ツイッター)に投稿。
両者は親密な関係にあるとみられる。
ただ、米自動車安全当局によると、テスラは20日までに外装パネル脱落の恐れがあるとして主力の「サイバートラック」約4万6000台のリコール(回収・無償修理)を決定。
これまでに米国で販売したほぼ全てのモデルが対象で、次世代技術どころか既存EVの安全面でも不安を招いている。
ラトニック氏が推薦を表明した後の20日のテスラ株の終値は、前日比でほぼ横ばいだった。
参照元∶Yahoo!ニュース