男性の「産後うつ」ってどんなもの?産婦人科医が名称、頻度、リスクなどを解説

近年、男性も「子どもが生まれた後にうつ状態となり得る」ことが明らかとなってきており、男性の「産後うつ」という言葉をメディア等でも目にする機会が増えてきている。
しかし、SNSでは「男性は出産していないのだから産後うつという表現はおかしいのでは?」といったような指摘も出ている。
本記事では、男性の「産後うつ」について、その名称や頻度、リスクなどを産婦人科医の視点で解説する。
社会全体でのより良い理解と、育児に携わっている全ての人へのサポートが拡充するきっかけになれば幸いだ。
男性(父親)の産後うつは、世界的に約5〜10%にみられると報告されている。
そもそも、男性について「産後うつ」と呼ぶのは適切なのだろうか。
学術的には「paternal postpartum depression」、つまり「父親の産後うつ」と表現されることが多い。
海外のニュースでは「Male postnatal depression」「postpartum depression as a dad」などと表現されており、「産後うつ」という表記がされていることは一般的だと言えるだろう。
男性の場合、出産に伴う直接的なホルモン変動は生じないが、実は「パートナーの妊娠・出産が間近にあることで男性のホルモン状態にも変化が生じている」ことが近年の研究で示唆されている。
ただ、これまでに指摘されている主なリスク因子は「長時間労働」「睡眠不足」「母親(パートナー)のうつ状態」などだ。
加えて、「男性は弱音を吐くべきではない」という「男らしさの押し付け」も影響し得る。
育児に携わっている人には、それぞれに適切なケアとサポートが届けられる体制作りを進めていくことが重要だと考える。
参照元:Yahoo!ニュース