防災倉庫、市の了承なく相撲宿舎に無断利用か 二所ノ関部屋「手続き問題ない」

スリッパを撮影した画像

エディオンアリーナ大阪(大阪市)で開催中の大相撲春場所に出場するため、二所ノ関部屋の力士らが宿泊する大阪府大東市の防災備蓄倉庫が、所有する市に無断で利用された疑いのあることが16日、関係者への取材で分かった。

管理する自治会が市の了承を得ないまま宿泊を認めていた。

光熱水費を除く利用料を免除するなどしており、市は実態を調査する方針。

二所ノ関部屋を率いる二所ノ関親方は、元横綱稀勢の里。

春場所には大関大の里らが出場している。

部屋側は産経新聞の取材に、地元後援会を通じ「(春場所を控えた)2月に自治会と部屋と後援会の3者で覚書を交わし、自治会から宿泊利用を認めていただいた。手続きに問題はないと考える」との見解を示した。

防災備蓄倉庫は大東市の新田中央公園内にあり、令和2年に完成。

3階建ての建物内に簡易トイレや非常食などの防災用品が備蓄され、シャワー室も備える。

公園の屋外は市が管理する一方、倉庫は市と覚書を交わした自治会が管理する。

市などによると、二所ノ関部屋は5年ごろ以降、3月の春場所に合わせて同公園を利用。

屋根付き広場には土俵が設けられ、春場所のシーズンには力士らの稽古姿を市民らが間近で見学している。

市は部屋側が倉庫を含め公園を利用すること自体は認めていたが、宿泊は認めていなかった。

自治会関係者によると、市は「建物はあくまでも倉庫であり、非常時を除き宿泊は想定していない」などと自治会側に口頭で告げていたという。

自治会側によると、今年の春場所を前に「力士を宿泊させたい」との申し出が後援会などからあり、自治会内で可否を検討。

覚書に宿泊を禁じる規定がないことなどから独断で認めた。

10日の市議会で光城敏雄市議が宿泊の疑いを市側に指摘した。

市危機管理室によると、自治会側に確認し、宿泊の事実を初めて把握したという。

市は倉庫の営利目的での利用を禁じている。

災害時には行政側が優先利用するとの事情もあることから、部屋側は光熱水費を除く利用料を支払っていない。

部屋側による倉庫の宿泊利用について、市は「今後、実態を調査する。地域の人々にも入ってもらい、妥当かどうか話し合う」としている。

参照元:Yahoo!ニュース