街中の線路脇に乳児の遺体、深まる謎 すでに白骨化 いつから?誰?

兵庫県伊丹市のJR宝塚線の敷地内で2月、白骨化した遺体が見つかり、県警が詳しく調べたところ、1歳未満とみられる女の子だと判明したことが捜査関係者への取材でわかった。
県警は死体遺棄事件とみて捜査しているが、不明な点も多い。
伊丹署によると、2月22日午後2時半ごろ、JR伊丹駅南側の線路沿いで、人骨のようなものを通勤中のJR関係者が見つけた。
連絡を受けた駅員が交番に通報した。
乳児のものとみられる大きさの頭蓋骨(ずがいこつ)を含む身体の骨が白骨化した状態で見つかった。
捜査関係者によると、腕の骨はなかったという。
司法解剖の結果、死因や死亡推定時刻などは「白骨化により不詳」とされた。
見つかった場所には枯れ草が広がる。
線路に沿うようにして歩道と車道があるが、遺体の見つかった地面とは4メートルほどの高低差がある。
歩道側には柵が設けられていて、線路側に下りる階段もない。
乳児はもちろん大人でも出入りは難しく、どのように遺棄されたのか、判然としない。
近所の寺の住職によると、柵沿いの道路は子どもの通学路になっており、人通りは多い。
柵の上から伊丹駅を発車する電車を見たり撮影したりする人もたまにいるという。
だが遺棄されていた場所は定期的な草刈りがされず、「夏の時期は草丈が1メートルほどある。人骨があっても誰も気づかないのでは」。
この土地を所有するJR西日本によると、伊丹駅に限らず草刈りの対象区域は車両の運行に支障が出る場所のみとしているという。
防犯カメラの有無については「防犯機能が低下するため回答を控える」とした。
最大の謎は、この乳児が誰なのか、だ。
伊丹市は1歳未満の乳児に4カ月健診と10カ月健診を義務づけている。
同市母子健康課によると、2023年度の4カ月健診対象者は1412人、10カ月は1431人で、24年度の4~12月では4カ月が937人、10カ月が1051人だった。
受診できていないケースも含め、連絡が取れていない母子は現段階でいないという。
近隣の宝塚市、尼崎市、大阪府豊中市にも取材したが、いずれも現段階で未把握の乳児はいないとの回答だった。
県警はDNAの採取や、聞き込み捜査などを続け、身元の確認を進めている。
参照元:Yahoo!ニュース