「生活保護費支給額引き下げは憲法違反」訴えた裁判で『原告逆転勝訴』 京都市の受給者たちが国などに引き下げの取り消しなど求めた裁判の控訴審 高裁段階で3件目の原告勝訴

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生活保護費の引き下げは憲法に違反するとして、京都市の受給者が国などに取り消しを求めた裁判の控訴審で、大阪高等裁判所は原告を逆転勝訴とする判決を言い渡した。

判決で大阪高等裁判所(佐藤哲治裁判長)は、引き下げた判断について、「生活保護法の範囲を逸脱するもので違法」などと指摘し、引き下げを取り消すよう命じた。

一方で、原告たちが求めていた慰謝料1万円については、訴えを退けた。

同様の裁判は各地で起こされていて、高等裁判所の段階では名古屋と福岡で訴えが認められる判決が言い渡されている。

京都市に住む生活保護の受給者42人は、国などが2013年から2015年にかけて、物価の下落などを理由に支給額を引き下げたのは、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する憲法に違反するとして、引き下げの取り消しなどを求めている。

1審の京都地裁では、「デフレなどで支給額の調整を行う必要はある」として憲法違反には当たらないと判断し、原告側の訴えを棄却。

この判決を不服として、原告42人のうち32人が控訴していた。

同様の裁判は全国で起こされていて、今回の裁判の弁護団によると、1審段階で19の地裁が原告勝訴の判断を下している。(11の地裁では原告敗訴。)

また高等裁判所の段階では、福岡高裁や名古屋高裁で原告が勝訴した一方、大阪高裁では2つの裁判(1審大阪地裁・1審神戸地裁)、仙台高裁秋田支部で原告が敗訴している。

こうして判断が分かれている中、弁護団は「最高裁判所に継続されている5つの裁判で、今回の判決は最高裁の審理に大きな影響を与える」としている。

参照元:Yahoo!ニュース