政府、関税回避に全力 トランプ米大統領に疑心暗鬼

日本とアメリカの国旗を撮影した画像

政府はトランプ米大統領の「関税攻勢」に身構える。

トランプ氏は4日の議会演説で貿易相手国に同水準の関税を課す相互関税を4月2日に導入すると表明。

日本への直接的な言及がなく疑心暗鬼にかられている。

関税回避へ武藤容治経済産業相を週明けに米国に派遣し、米高官との直接交渉に当たらせる。

石破茂首相は5日の参院予算委員会で「日本はここ数年、米国最大の投資国だ。

いかに米国の国益に資するかをロジカルに訴えていく」と述べ、米側への働き掛けを続ける考えを示した。

トランプ氏は演説で中国や韓国、インドなどを名指しして「われわれより高い関税を課している」と批判する一方、関税で日本に触れることはなかった。

日本政府は「留意している」(林芳正官房長官)としてトランプ氏の真意を見極める姿勢だ。

相互関税や、12日に発動される鉄鋼・アルミニウムへの関税は日本も対象になる恐れがあり、外務省幹部は「無傷ではいられない」と語った。

米国は4日、カナダやメキシコに対する関税を発動。

両国に対米輸出向けの生産拠点を置く日本の自動車メーカーへの打撃は避けられない。

政府関係者は「大混乱が起きるかもしれない。部品がカナダやメキシコと米国を行ったり来たりしていて、サプライチェーンが出来上がっている」と警戒する。

武藤氏はラトニック商務長官やグリア通商代表部(USTR)代表と会談し、日本製品の適用除外を求める方針。

林氏も5日の記者会見で「米国政府には日本が対象になるべきではない旨を申し入れつつ、意思疎通を行っている」と強調した。

自民党内からは交渉が不調に終わった場合、「対抗措置を検討せざるを得ない」(中堅)との声も上がる。

首相は予算委で「報復関税や世界貿易機関(WTO)への提訴に至らなくても、国益を守るためあらゆる可能性を検討し、リスクを計算するのが外交だ」と指摘した。 

参照元∶Yahoo!ニュース