「牛丼」で栄養をしっかり摂取できるの? 管理栄養士が勧める“太りにくい食べ方”

牛丼を撮影した写真

忙しいときでも手軽に食べられる料理の一つが「牛丼」だ。

牛丼店に行くと、おいしい牛丼が短時間で提供されるため、つい牛丼ばかり食べてしまう人もいると思う。

牛丼で体に必要な栄養素をしっかり摂取することは可能なのだろうか。

牛丼に含まれる主な栄養素や食べるときの注意点などについて、管理栄養士の松田加奈さんに聞いた。

Q.そもそも、牛丼は栄養価が高い料理なのでしょうか。また、牛丼で体に必要な栄養素を摂取することはできるのでしょうか。

松田さん「牛丼を食べることで、タンパク質と脂肪を取ることができます。さらに、白米を食べることで糖質を取れるので、牛丼は栄養価が高いと言えるでしょう。しかし、牛丼だけでは必要な栄養素をバランスよく取ることはできないので注意が必要です。なぜなら、牛丼にはビタミンCやカルシウム、鉄分などの栄養素があまり含まれていないからです。そのため、牛丼だけでは栄養不足になってしまいます。牛丼に加えて他の物を付け合わせて食べることで、不足している栄養素を補いましょう」

Q.栄養素以外で牛丼を食べるときの注意点について、教えてください。例えば、量は並盛りにとどめるのが望ましいのでしょうか。

松田さん「お勧めなのは、やはり並盛りです。牛丼は非常にカロリーが高く、並盛りが約730キロカロリー、大盛りが約960キロカロリーあります。1日の摂取カロリーの目安が、男性は2000~2400キロカロリー、女性は1400~2000キロカロリーであることを踏まえると、牛丼の大盛り一杯で目安の半分ほどに達してしまうことが分かります。朝食や昼食を抜いている人、もしくは食事を軽く済ませていてあまり食べていない人が、夜だけ牛丼を大盛りにするのであれば問題ありません。しかし、1日3食しっかりと食べている人が大盛りの牛丼を食べてしまうと、カロリーオーバーになってしまいます。その場合は並盛りにするのが望ましいです。自分の普段の食生活に合わせて量を調節すると良いでしょう」

Q.牛丼を食べるのに適切な時間帯、一緒に付け合わせた方がよい料理はありますか。

松田さん「牛丼を食べる時間帯は日中がお勧めです。摂取した肉はかなりの時間、体内に残り続け、消化するまで2~3日かかります。消化が難しいので、夜に牛丼を食べてすぐに寝てしまうと熟睡できなくなってしまうこともあるでしょう。そのため、比較的消化がしやすい昼ごろまでに食べるのが望ましいです。牛丼の付け合わせにはサラダや卵、紅しょうが、みぞ汁などを選び、不足している栄養素を補うと良いでしょう。特に野菜は糖質の吸収を穏やかにしたり、血糖値の上昇を緩やかにするといった効果があるのでお勧めです。サラダはポテトサラダなどではなく、グリーンサラダにすると良いでしょう。ポテトサラダは穀物であるのに加えて、マヨネーズなどの調味料も使用していてカロリーが高いので、牛丼と一緒に食べる付け合わせには向いていません。レタスなどの葉物やトマト、キュウリなどのサラダがお勧めです。なお、野菜を牛丼と一緒に食べる場合は野菜から食べるとよいでしょう。野菜を先に食べる方が糖質の吸収が緩やかになるので、ダイエットを意識している人などにお勧めの食べ方です」

牛丼は栄養価が高いものの、牛丼だけで必要な栄養素を摂取するのは難しいことが分かった。

カロリーが高いので食べる量の調節も重要だ。

牛丼を食べるときはカロリーや栄養を意識して量や付け合わせを工夫し、バランスのよい食事になるよう心掛けられるとよいだろう。

参照元∶Yahoo!ニュース