悲鳴上げる大学受験生 訪日客増えて札幌のホテル高騰 相部屋やカプセルの利用余儀なく

ホテルをイメージした写真

北海道を訪れる外国人観光客の急増に伴い、札幌市内のホテル宿泊代が高騰し、受験シーズン本番を迎えた高校生らに影響が及んでいる。

国公立大2次試験の前期日程が25日から始まったが、札幌で行われる試験に他市町村で暮らす受験生が万全な状態で臨むには、大きな出費が避けられない状況だ。

受験生を抱える家庭の負担を軽減する方策はないのか。

「試験会場まで歩いて行けるホテルを選んだが、ここまで高いと正直つらい」。

高校3年の長女(18)が北大を受験した旭川市の会社員女性(44)はこぼす。

立地や自習スペースを考慮し、JR札幌駅に近いホテルを昨年夏に予約したが、2人分の2泊3日の料金は約7万円に上った。

札幌や近郊の私大、国公立大の試験が行われる1月下旬~3月中旬は、中華圏の旧正月「春節」やさっぽろ雪まつりなど冬のイベント時期と重なる。

新型コロナウイルス禍を経て急増する外国人観光客の多くは札幌を訪れており、市内のホテル代は急騰している。

大手旅行会社の社員は「札幌市内のホテルはコロナ禍前まで、冬季観光シーズンでも1人1万円以内で泊まれたが、そうした場所はなくなりつつある」と説明。

実際、予約サイトでは今や1万3千円超の価格帯が主流になっており、中には素泊まりで2万5千円を超えるビジネスホテルもある。

雪まつり期間中に札幌の私大を受験した青森県八戸市の女性(19)はネットカフェや遠方のホテル宿泊も検討したが、安全面や受験会場へのアクセスを考え、江別市内の友人宅に宿泊。

「イベントで宿泊代が高くなるのは仕方ないが、負担軽減のため何らかの支援があってもいいのでは」と訴える。

1部屋ずつ区切られているシアテル札幌のドミトリールーム。

約20年前までは学生割引を適用した受験生対象のパッケージツアーを企画する旅行会社もあったが、現在はごく少数。

そんな中、受験生の間で相部屋形式のドミトリーやカプセルホテルの利用が増えつつあるという。

札幌市中央区のホテル「シアテル札幌」は1泊2千円台から泊まれるドミトリータイプの部屋を計36室備える。

2023年ごろから受験生の姿が目立ち始め、運営会社の神馬千代子さんは「札幌で受験する学生は今後も一定数いると思う。受験生応援プランなどで協力できれば」と語る。

参照元∶Yahoo!ニュース