侵略3年、ゼレンスキー氏がG7の結束維持

ロシアとウクライナの国旗を撮影した写真

ロシアによるウクライナ侵略は24日、開始から3年を迎えた。

先進7か国(G7)首脳は同日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も招き、テレビ会議を開いた。

ゼレンスキー氏はG7の結束維持を呼びかけた。

早期停戦に意欲を示すトランプ米大統領がロシアに接近する中、ウクライナ情勢を巡り、日米欧の結束を示す共同声明が採択できるかどうかが焦点だ。

トランプ氏が1月に就任して以来、G7首脳会議の開催は初めて。

テレビ会議は2023年と24年の2月24日の節目にも開かれ、G7首脳はロシアに侵略をやめるよう要求し、ウクライナ支援や対露制裁の継続などを強調する共同声明を採択してきた。

しかし、トランプ氏は米露主導で停戦交渉を進めようとしており、露側に配慮する姿勢が目立っている。

英紙フィナンシャル・タイムズなど欧米メディアは、G7の共同声明で、米国がロシアの「侵略」という表現を使うことに反対していると報じていた。

この日のテレビ会議には、G7議長国カナダのトルドー首相やトランプ氏、石破首相、英仏独の首脳らが出席した。

ゼレンスキー氏はテレビ会議について、「生産的な会議だった。ウクライナのための『安全の保証』の必要性と、ロシアの侵略を確実に終わらせ、新たな侵略を防ぐための方法を協議した」とSNSに投稿した。

「我々は欧州、米国、世界のあらゆる地域の団結を強く頼りにしている」とも強調した。

石破首相はテレビ会議で、「力による現状変更が可能だという誤った教訓が導き出されないように注意が必要だ」と呼びかけた。

ウクライナを侵略したロシアに一方的に有利な形で対話が進まないように促したものだ。

首相が会議後、首相公邸で記者団に明らかにした。

会議の成果をまとめた共同声明に関しては、「首脳間の発言に主たる対立があったとは思わないが、なお事務方が調整している状況だ」と語るにとどめた。

テレビ会議に先立ち、ゼレンスキー氏は、欧州諸国を中心とする首脳会合をキーウで開き、米露が進める停戦交渉に関し、拙速な合意に懸念を示した。

ゼレンスキー氏は会合で「平和は今日、明日、あさってで実現するものではない」と述べた。

ロシアとの停戦交渉には、ウクライナと欧州が参加すべきだとの立場も強調した。

参照元∶Yahoo!ニュース