マグロ遠洋漁業に若者殺到 「過酷なイメージ」古い? 20代で「年収1000万円も」

一昔前は過酷なイメージが強かったマグロなどの遠洋漁業ですが、今そうした漁船で働きたいという若者が増えているようだ。
22日に東京・大田区で行われていたのは、漁業に興味がある人に向けた就職支援イベントだ。
中をのぞくと、意外にも若者や女性の姿が目立つ。
来場者(20代)「漠然としたイメージで、カッコいいなというのがある。海で仕事できるというのは開放感があって。厳しそうではあるけど、自由なイメージがあります」
来場者(10代)「海が好きなのもあるんですけど、達成感がありそうで」
こちらの男性は、今は「配達員」の仕事をしているそうだが…。
来場者(20代)「みなさん優しそうで、来て良かったなと思います。やりがいを求めるなら、漁師はいいのかもしれない」
なぜ、こんなにも漁業への注目度が高まっているのだろうか?
全国漁業就業者確保育成センター馬上敦子事務局長「SNSやYouTubeで、漁師さんも個々で発信しているし。若い人が知って、来てくれるようになった」
一般的に過酷なイメージもある漁船での作業。
加藤弘樹さん(31)は、遠洋漁業の情報を発信している一人だ。
今乗っているのは、去年6月に日本を出港して今年4月に日本に戻る予定のマグロ漁船。
大海原での生活とは、一体どのようなものなのだろうか?
加藤さん「こちらが、船員の居住スペースの通路になっています」
乗船しているのは26人。
ここが加藤さんの部屋だ。
加藤さん「上の段が僕の部屋で、1年目はベッドで寝ていて腰を痛めたりしたので、2年目からこんなマットレスですが、快適に寝られています」
布団クリーナーや除湿器などの最新家電も、自由に持ち込みが可能だ。
こちらは洗濯コーナー。
水は貴重なので、海水で洗っている。
ちなみに、お風呂も海水だ。
一方、トイレには真水を使う温水洗浄便座が付いていた。
漁師たちは漁場に着いたら、昼夜を問わず仕掛けが付いた縄を6〜7時間かけて海中に垂らすため、肉体的には過酷な面もある。
ただ、マグロが掛かるのを待つ4時間ほどは自由時間。
その間は…。
加藤さん「何してたの?」
同僚「YouTube見ていました」
最近はスターリンクなどの衛星通信を使うことで、遠洋に出ている間の船内でもWi-Fiを使ってネットを楽しむことができる。
加藤さん「ここに魚がいっぱい入っているが、ここで寝転がるのは一番最高」
長期にわたって続く海の上での生活。
その間の楽しみを聞いた。
加藤さん「1〜2カ月(に1回)ぐらいで外地(外国)に入ったりするんですけど。その外地(外国)での買い物やそこの国の食べ物とか、そういうのを体験できるのは楽しみの1つになりますね」
もちろん、大金を稼げる可能性がある面も魅力だという。
鬼束遼空さん(21)「早ければ、20代で(年収)1000万円の可能性もありますから」
加藤さん「チャンスが大きいですね。これから乗ってくる若者たちに」
就職イベントの担当者も、こうした発信に期待している。
馬上事務局長「スマホの普及によって、若い人も情報を知れるようになった。いろんな職業が見直されてきているというのはあると思う」
参照元∶Yahoo!ニュース