Z世代の「飲食店の探し方」で店側に“思わぬメリット”も?「予約が13倍になった」動画とは

飲食店を探す時に「Google」「食べログ」「ぐるなび」などを使うという声も多い一方で、Z世代は…。
「インスタの写真の方がオシャレに見えるから」(10代女性)
「みんなが♥(いいね!)押していると、行きたくなっちゃう」(10代女性)
Z世代の「飲食店の選び方」についての調査では、▼Instagram⇒40%▼Googleマップ⇒24%▼食べログ⇒23%▼TikTok⇒6%▼その他⇒6%(16〜29歳/出典:株式会社Utakata)
主流は「インスタグラム」のようで、どうやって探すのかというと…
「渋谷だったら<渋谷 ランチ>とか、<カフェ かわいい>とか」(10代女性)と入力する【キーワード検索】
さらに…「ここらへんで探したいなと思ったら、<このエリアを検索>押したら出てくる」(20代女性)という、インスタグラムの【マップ機能】検索画面の右上にある「地図マーク」を押すと、地図とともに「今いる周辺のお店情報」が写真付きで一気に出てくる。
Z世代の“グルメサイト離れ”には、「情報にたどり着くまでの工程数が多い」ことがあるのではと話すのは、雑誌『月刊食堂』の通山茂之編集長。
通山さん:「グルメサイトだと、場所がどこで、人数は、価格はどれぐらいでと。インスタグラムは勝手に流れてくるというか、情報が集まりやすい。簡単に知りたい情報にアクセスできる。その意味でもインスタグラムと飲食はすごく相性がいい」
そして、インスタグラムは客が便利なだけでなく、店側にも「思わぬメリット」があるという。
東京・錦糸町にある中華料理店『フーフー飯店』では、“ある事”をきっかけに若者客が急増したとのことで、店内をウォッチングしていると…
THE TIME,マーケティング部 原千晶部員:「お客さんがスマートフォンを上の棚に置きましたね」
テーブルの真上にある「網棚」に、スマートフォンを置く人があちらこちらに!
何をしているのかというと…
「動画を撮っていて。上から撮ると顔が見えない、でも楽しそうな雰囲気はわかる」(10代女性)
なんと頭上の網棚にスマートフォンを置いて、真上から食事の様子を撮影。
テーブルの料理全体と、食べている人の体や手などが多少映り込むアングルで、これがSNSで大流行している。
元々は「荷物置き」として設置された網棚。
店側も、まさか動画撮影に使われるとは思いもしなかったという。
『フーフー飯店』総料理長 西塚隼之介さん:「最初の頃は“何が起きてるんだ”みたいな。売り上げも2倍になって最大で4時間待ちとか平気で待たれる方もいたので。棚からぼた餅ならぬ“棚から動画”だねと(笑)」
東京・池尻大橋にあるビストロ『PLUCK AND PLANT』は、2022年にオープンするも赤字が続き閉店の危機に…。
そこで、“ちょっと変わった”30秒ほどの動画をSNSに投稿。
長髪にニット帽、パーカー姿の店長が、チラシを配ったり、ガランとした店内で料理を作る様子とともに、店の危機的状況を赤裸々に伝えた。
投稿した動画:「赤字閉店。何をやっても客足は伸びず初月から100万円以上の赤字。4カ月連続で赤字が続いている。黒字化を目指すにはどうしたらいいのだろうか?」
すると、この動画が38万回再生以上の大バズり!
1000件以上届いたコメントには、<笑顔がない><店長の髪が長い><飲食店としてふさわしくない>など辛辣なものあったが、真摯に受け止めた店長。
<清潔感がない>との声を受け、長髪をバッサリ切りニット帽からキャップに。
パリっとした黒のシャツにエプロンというスタイルに。
<白皿がダサい><目玉焼きがファミレスみたい>との意見があったハンバーグは、シックな緑皿にし、目玉焼きをマッシュポテトにチェンジするなど、「改善していく過程」も投稿したのだ。
すると…『PLUCK AND PLANT』オーナー 宮嶋祐也さん:「かなり応援コメントが増えて、予約数が13倍になった」
実際に、お客さんに聞いてみても…「美味しいお店は潰れて欲しくないので応援したい」「応援したい気持ちもあるし、どういう風に改善されたのか実際に行ってみたいなと、興味がわきやすい」
Z世代が飲食店選びで使うSNSをきっかけに、新たな集客方法が生まれていた。
参照元∶Yahoo!ニュース