もやし3円値上げで消費減 生産者に焦り「白くて新鮮だけでは将来を展望できない」
「物価の優等生」と言われる「もやし」が1袋で3円ほどの値上げをしたことで、消費量が減ってしまい、生産者たちが悲鳴を上げている。
天候に左右されず、工場で大量に生産できることから、いつでも安い価格で売られているもやし。
しかし、近年は物価高の影響を受け、多くの生産者が苦しんでいる。
「原料である中国産の緑豆が大変な値上がりが起きたわけです。一時期の3倍ぐらいに上がってしまって、今も高止まりしている状況なんです。もやしの値段を上げるのがなかなか難しい」
もやしの値段は全国一律で決まっているわけではなく、生産者と小売店の交渉によって決まる。
この20年ほど価格は変わっていませんでしたが、現状を打破すべく、価格交渉を重ねてきた。
その結果、1年でわずかな値上げに成功したが、林理事長は次のように述べます。
林理事長
「(一袋)3円ぐらい上がるのが、やはり消費者にとってみれば、すごい値上がりというような感じで取られてしまうんですね。もやしの売れ行きが悪くなってしまった」
上げ幅は約10%ですが、金額にすれば200グラム入った袋で3円ほど。
しかし、それでも消費量は減ってしまった。
もやしの値上がりについて、街の人からは次のような声が聞かれた。
街の人
「昔はよく使ったのよ。今あんまり使わなくなっちゃったね」
「値段的には高いものではないので、まあいいかなというところはある」
「今はどんな物でも物価が上がっているので、なるべく控えてほしいんですけれども、しょうがない部分もあるかなと思います」
2013年には175軒だったもやしの生産者数は、現在では100軒ほどにまで減少している。
「このままでは、もやしが作れなくなるかもしれない」という危機的な状況のなか、生産者はどのような対策を考えているのだろうか。
林理事長
「例えば極端な話、味の付いたもやしとか、色の付いたもやしとか、今までないような『面白い』と子どもが思わず買いたくなるもやし。今までの単に白くて新鮮なもやしだけをこだわって作っていたのでは、なかなか将来的な展望も薄いのかなということを感じている。もやしをもっと付加価値を高めることができれば」
まだ具体的な商品化などは何も決まっていませんが、もやしをより普及させるため、生産者たちは日々、アイデアを出し合っているという。
林理事長
「海外ではもやしというのは、一袋100円から200円するんです。日本の国民の消費者のみなさん、本当にこれだけおいしくて、安くて新鮮なもやしが食べられるというのは非常に幸せなことですね。我々は、本当にその幸せを消費者の皆様にこれからも送り届けたい」
参照元∶Yahoo!ニュース