備蓄米放出の一方、毎日焼却処分され精米1ヶ月で棚から撤去されるコメ 廃棄物処理業には1日8トンの米飯 #専門家

白米を撮影した写真

農林水産省は2月14日、茶碗32億杯分に相当する備蓄米21万トンを放出すると発表した。

コメの値段は安くなるのか、備蓄米は古くて味がまずいのか、今年もコメ不足かなどメディアも報じている。

一方、毎日大量に廃棄するコメがある。

スーパーでは精米して1ヶ月強経ったコメは棚から撤去し処分する。

廃棄、寄付、納入業者へ返品し外食産業にまわすなど対応はさまざまだ(外食業ではコメの産地を消費者に伝える義務があるが、書いていない飲食店もある)。

廃棄物処理業者には1日8トンの米飯が納入される。このままでいいのだろうか。

ある大手コンビニ関係者によれば、2024年夏、上層部にコメ不足の懸念を伝えたところ「コメの先物取引でおさえてあるからまったく問題ない」との回答があったそうだ。

2025年2月2日の節分、このコンビニ加盟店では23時台に70本近くの恵方巻が残っていた。

企業の特権でコメを確保していればどれだけ無駄に捨ててもよいのだろうか。

家庭と違い、工業生産で炊く米飯は、必要以上にコメを使わざるを得ない。

筆者がある米飯加工会社を取材したところ、少量必要でも、製造ラインを回すと10キロ以上の米飯が自動的に炊けてしまうため、残りを廃棄すると話していた。

なぜ恵方巻は巻かれていない状態でも処分されるのか。

食品業界では小売から欠品が禁じられているからだ。

発注に臨機応変に応じるためには、あらかじめコメを炊いてスタンバイしなければならない。

でもいざ発注が来なければ、準備した米飯や具材、海苔は不要になる。

だから本記事の写真のように、巻かない恵方巻も処分されるのだ。

お金が足りない時、収入を増やせないなら節約を考える。

コメが足りないなら、不足を増やそうとする以前に、今ある資源、コメの無駄と廃棄を減らすことを考えたらどうなのか。

参照元∶Yahoo!ニュース