自民が「夫婦別姓」議論を本格化 割れる党内、意見集約できるか
![自由民主党の外観を撮影した写真](https://news-information-bureau.com/wp-content/uploads/2025/02/1000005911-768x1024.jpg)
自民党は12日、「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム(WT)」の全体会合を党本部で開き、選択的夫婦別姓の制度導入の是非を巡る議論を本格化させた。
野党の多くや公明党は導入に前向きだが、自民内は賛成派と慎重派に割れており、意見集約できるかが焦点となる。
WTの開催は昨年8月以来で、現職議員約50人が出席。
逢沢一郎座長が冒頭、「この問題は(夫婦同姓か別姓かの)どちらを選択するかという簡単な問題ではない。多様化する価値観と日本が守るべき伝統的な家族制度の両方に思いを致しながら、しっかりとした結論を見いだすべく努力を重ねていきたい」と述べた。
党内では導入論のほか、夫婦同姓を前提に旧姓使用を広く認める案や旧姓に法的な担保を与える案など、さまざまな案が提起されている。
最近は保守派の動きが活発で、高市早苗前経済安全保障担当相は4日、自身が顧問を務める「保守団結の会」の会合で旧姓の通称使用を拡大する私案を説明。
5日には、党の保守系議員連盟「創生日本」が旧姓の通称使用拡大について意見を交わした。
この日のWT会合では、これまでのWTで確認してきた「戸籍制度は維持」「子どもに不利益が生じないよう十分に配慮する」などといった考え方を共有した上で、意見交換した。
高市氏は自民が近年の国政選挙で旧姓の通称使用拡大を公約に掲げてきたことに触れ、「国民への約束をまず守るべきだ」と主張。
一方、賛成派の井出庸生衆院議員は「元々の名字を変えたくない、大事にしたいという人たちの思いにきっちりと応えることが出発点ではないか」と訴えた。
WTは今後、少なくとも週1回のペースで会合を開く予定。
逢沢氏は会合後、記者団に「いつまでにどのようなものを出しなさいという指示を総裁や幹事長らから明確にもらっているわけではない。しかし国民の中には大変関心を持っている方がおり、国会の政治状況がある。野党の動きを念頭に置きながら議論しないといけない」と説明した。
一方、石破茂首相(自民党総裁)は12日の参院本会議で、選択的夫婦別姓制度の導入について「いつまでも結論を先延ばしにしていい問題とは考えていない。党としての考え方を明らかにすべく議論の頻度を上げ、その熟度を高めていく」と述べた。
参照元∶Yahoo!ニュース