2500グラム未満で出生 “低出生体重児”支える訪問看護 子供と親にとって大切な支えに

出産している母親をイメージした写真

生まれた時の体重が2500グラム未満の子供を「低出生体重児」と言う。

こちらのグラフは宮城県内で生まれた子供のうち低出生体重児の割合だ。

おととしはちょうど10%で30 年前の割合と比べるとおよそ1.5倍になっている。

低出生体重児は医師の指示があれば訪問看護を利用することができる。

訪問看護は子供と親にとって大切な支えになっているようだ。

看護師「お母様の方から、離乳食の進めるタイミングであったり、調理方法についても質問ありましたので…」仙台にある訪問看護ステーション。

小児の訪問看護を主に行っている。

このステーションには、小児医療や育児の知識を持つ看護師が在籍し、低出生体重児の訪問看護も行っている。

看護師「直近で、体重測ったりしていますか?」「体重計乗るのが嫌がってしまったので…」

この日、訪問するのは707グラムで生まれた1歳11カ月の子供だ。

看護師「こんにちは!みやびちゃん、おはよう!」

宮城県富谷市に住む、みやびちゃんとお母さん。

みやびちゃんは707グラムで生まれそのまま5カ月ほど入院生活を送っていた。

自宅に戻ってからはこの訪問看護を利用し、まもなく1年を迎える。

看護師さんの顔もすっかり覚え、家に来るとご機嫌だ。

梅島三環子アナウンサー「利用のきっかけは?」みやびちゃんの母「最初は酸素療法をしていたので、酸素の取り扱いや体重が増えないので悩んでいたので、その悩みを聞いてもらったり。」

みやびちゃんはお母さんのお腹の中で、突然、頭に酸素が通わなくなってしまい予定より15週も早く緊急の帝王切開で生まれたそうだ。

お母さんは当時を振り返り、自分を責めてしまったと言う。

みやびちゃんの母「お腹の中に満足にいさせてあげられなかった。小さく生んでしまったという自責の念が強くて。一緒に退院出来なかったことがすごくつらかった。(低出生体重児は)リスクがあるとたくさん言われていたけれど、それを一つ一つ乗り越えていけるのだろうか、こんな小さな体でとずっと思っていたので、入院中は暗いトンネルの中にずっといるような感じ。」

みやびちゃんのお母さんに限らず低出生体重児の母親は自分を責めてしまったり不安を抱いたりすることがあると言われている。

そうしたことを踏まえて県立こども病院の医師は、自分を責めないでほしいと話す。

宮城県立こども病院新生児科 埴田卓志科長「なぜ早産になるかということに対して明確な回答ができていません。若い人から高齢の人まである程度のリスクはあるので、何かをしたから早産になったということは決してないと認識してもらっていい」

その上で、小さく生まれた子供を育てるお母さんこそ、こうした訪問看護など周りの力も頼ってほしいと言う。

宮城県立こども病院新生児科 埴田卓志科長「低出生体重児の赤ちゃんは少しあやしにくかったり、少し“かん”が強いなど育児に苦労する人が多いと思います。体重の増えが悪かったり、風邪をひいたら呼吸が悪くなって苦しそうになったり。正期産で生まれた赤ちゃんとはまた違う注意点も多い。専門的な知識を持った人に訪問してもらったり、相談したりするのが精神的にもいいし、実際に何かあった時の対処にもいいと思う」

看護師「女の子の方ですね、発達曲線。体重のところ、今ちょうど1歳。あっ!乗ってますよ、しっかりここ」

体重もだいぶ増えてきたみやびちゃん。

1歳児の平均と同じくらいになっていた。

退院後しばらくは、週2回の利用だった訪問看護も成長に合わせて週1回に減った。

離乳食の進め方や、お腹の調子、足の動き方、体調に問題は無いかなど看護師の立場から確認してもらう。

お母さんは自分の安心と自信にもつながっていると話す。

みやびちゃんの母「安心して育児もできるし、安心して話もできる。不安があったり、どうしようと思ったときに、つながっているだけで、自分の自信にもつながっていくのかなと思います」

ピースコネクト 茅野翼看護師「近くにいるお母さんだと気付きにくいところまで気付いて伝えることで、しっかり成長している発達していると伝わりやすいのが(訪問看護の)特長だと思う。子供の体調ももちろんだが、お母さんも、周りで支えている家族も含めて、今どういう状況か把握するよう意識している」

宮城県内でも、10人に1人が低出生体重児として生まれている今。

核家族化と少子化の中で、一人一人異なる成長に寄り添う仕組みの重要性はますます高まりそうだ。

参照元∶Yahoo!ニュース